米国でのBlueToothヘッドセット普及に見る新ビジネスの可能性

もう2週間も前の話になるが、世界最大の家電ショーであるInternational CES(Consumer Electronic Show)に行ってきた。以前の立場であれば取材で、というところだが、今回は発想のインスパイヤが目的である。


まぁここで旅行記を書いても仕方ないので割愛するが、会場ではBlueToothイヤフォンマイクを付けた人が目立っていた。まぁCESに来るような連中ならではの傾向かと思っていたところ、ベガスを離れてサンフランシスコに移動しても、CES会場ほどではないにせよ沢山の人が装着していたのが印象的だった。


対する日本国内での(公共空間での)普及率はゼロに等しいと言っていいだろう。自動車内でのハンズフリー通話用としての導入や、自宅での長時間通話において活用している人は意外に多いようだが、梅田や新宿はもちろんのこと、秋葉原近辺ですらまず滅多に装着者を見ることができない。


この差は何から来るのかと推測してみる。
まず、BlackBerryTreoに代表されるBlueTooth対応携帯電話の普及率が高い事が挙げられる。次に、国民性の違いが考えられる。基本的に恥ずかしがり屋で、普遍的でない外装品を身につけることに抵抗がある日本人。さらには「独り言をぶつくさ呟いているアヤしい人」と思われたくない特性が米国人よりも高いと考える(気軽に他人にしゃべりかけない、独り言も滅多に言わない)。事実、私もちょっと抵抗があるのは事実。


しかし、対応機器が普及しデジタルガジェットオタク※達が路上や店先で使うようになれば、国内で普及する可能性はあるかもしれない。


※ITオタクと呼ぶべきか迷ったが、定義が明確となるようこういった造語を用いさせてもらった。ここではW-ZERO3を電車内で嬉々として弄っているような連中を指す。勿論私はこのカテゴリーに属することを自認


・・・・ふぅ。何と長い冒頭陳述だことか。
ライター稼業をかじった者故の職業病だろうか。必要とあらば前置きだけでいくらでもページ数を稼ぎ、調査不足の案件でも適当にボリュームのある記事に仕立て上げることが出来てしまうという。


閑話休題


ではBlueToothヘッドセットが普及しうる土壌(前述の対応端末,アーリーアダプタの街中利用)が整った時、本格的に普及するためのキラーサービスを考えてみよう。そこまで難しいお題にせずとも、BTヘッドセットならではのサービス、というお題でも構わない。お暇な方は是非考えて、トラックバックしていただければと思う。


とりあえず私は誰もが出しそうなアイディアを2,3挙げてみる。



音声読み上げ型RSSリーダー


要はマイクを使って指示を出し(簡単な指示なので高度な音声認識プログラムは不要)、プログラムはひたすらに指示されたコンテンツを読み上げる、というものだ。「カブシキガイシャライブドアホリエシャチョウガタイホサレマシタ」「グーグルニュースガセイシキバンニナリマシタ」なーんて無機質な読み上げでも、十分にエッセンスは伝わる。


エントリもRSS配信されるタイプのBlogなんかだと、「詳細」なんて指示したら内容まで読み上げてくれっちゃったりすると。


いいなぁ、そんなの欲しいなぁ。



声で指示するオンガクケータイ


再生,停止,次,前,あと音量ぐらい?が認識できれば結構便利なんじゃと思ったり。まぁありきたりだが、意外にあったら使うのかなぁと思った。



このへんまでは無難というか誰もが考え付くようなアイディア。
さらにぶっ飛んだところに行くと

会話自動録音&タギング&サイト(商品)レコメンデーション


なーんてぶっとんだアイディアも無くは無いんじゃなかろうか。自分の発言はぜーんぶ記録されていて、PCや携帯端末を開くと数時間前までの会話内容から推測して関連サイトや関連商品がリストアップされている、なんて世界。Gmailの内容をGoogleが全部チェックしてるなんて時代だから、プライバシー問題さえうまくクリアすれば、あとは音声認識の精度UPだけで何とかなるかもしれない。


音声認識っていっても文章理解をさせようってわけじゃない。システム側が辞書を持ってて、辞書にある単語が発せられたらタギングすればいい。


とかなんとか、色んな発展系があるんじゃなかろうかと思う次第。繰り返すが、今渋谷でイヤフォンマイク付けて、一人で「再生」「停止」なんてしゃべってたら恥ずかしいゲージがあっというまに振り切れて死亡すること間違いなし。


こんなソリューション考えるより先に、メディアをうまく使って群集を洗脳し、イヤフォンマイクってお洒落ぢゃん?てな世界に持っていくことを考えたほうがいいのかもしれない。チキン&エッグの問題で、明確にキラーと言い張れるソリューションが無いのであれば、そんなマーケティング施策なんて取れるかっ!というのもまた然り。


さて、誰かがこのチキンエッグを解決しようとするのか、それとも日本人はずっとHnadsetを頭にくっつけ続けるのか。


案外どっかの教授巻き込んで電磁波問題をでっちあげてもらって、頭にhandset近づけたら電磁波で脳みそイカれるからBTヘッドセットだ!てな主旨の健康番組でもやりまくってもらうのが良いのかもしれない(ぉ