Web2.0 Book(小川浩,後藤康成) は「Web進化論」という教科書の参考書だ

今日読んだ本はコレ

Ajile開発の重要性、Folksonomyの効果、具体的なこれらの活用事例などが事細かに「具体例を挙げて」「しかもURL付きで」説明されているので、Web2.0ワールドを他人(特にWeb2.0を言葉だけ知っていて内容を良く知らない人)に説明するための参考書としては大変に良く出来ている。

ただ、こんな末端のBlogを読みにきてくださるほど情報収集能力の高い人であれば、本書から新たに学ぶ事は少ないだろう。しいて言えば海外での事例が多少含まれているので、ドメスティックな情報に依存している方は多少効果があるかもしれない。

繰り返すが、Web2.0論者が他人(社内の偉いさん等)にWeb2.0というムーブメントについて理解してほしいと思う状況において、彼らに読ませる、あるいは資料に引用して説明する、といった利用において効果的に作用する本だと感じた。

しかしながら、Flickrはてなも知らない、mixiは名前ぐらいは知ってるが勿論使ったことはない、という類の頭の固いオジサンに対し、いきなりこの本をぶつけても理解してもらえない。小川さん,後藤さん,そしてぶつけたあなたの評価が落ちてしまうだけである。

おすすめの洗脳ステップは、まずは梅田さんの「Web進化論」を読ませて危機感を煽り、「何かムーブメントがおきているらしい」「何かしなければ!」「どうすれば?」と浮き足立っているような状態にさせ、その状態で本書を読ませることである。


「Web進化論」を教科書*1とするならば、「Web2.0 Book」はその参考書である、と言えるだろう。


もっとアジャイルにサービスを立ち上げたいが効果を上司が理解してくれない、という貴方。こんな仕事のやりかたじゃWeb2.0的企業に数年後はシェアを持って行かれる!と危機感をもっている、という貴方。洗脳用書籍としては結構使えそうですよ。


※でもちょっと高い。参考書が教科書より高いのは世の常とはいえ、オジサンが気軽に買えるよう、できれば980円ぐらいにしてほしかった...orz

*1:一説では宗教書と揶揄する方もいるようだが。私も宗教書に近い取り方をしているが、家電メーカーというWebからは遠く離れた場所にいた上司の方々にWeb2.0論を刷り込むには、教祖化してしまうほかはないことを身に染みて理解している。