業界の異端児たる事の表と裏そして野望
ゲーム業界においてカジュアルゲームを担当させられることの意味について、Life is beautifulでスクエニ(UIE)の中島さんがいいこと言ってる。
オンデマンドTVも含めたこういったスクエニの「新しい試み」に関わっている人たちに一つお願いしたいことがある。これからしばらくは、「そんな子供だましのゲームを作るためにスクエニに入ったんじゃないだろう」、「ぜんぜん儲からないのに、なぜそんなことをやるんだ」という社内外からの揶揄(やゆ)が聞こえてくるだろうけど、そんなものに決して屈せずに成功するまで頑張り続けて欲しい。スクエニの将来は、そしてゲーム業界の未来は、君たちが作って行くのだという強い意志を持って。
ネタ元はこれ。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060323/tnavi.htm
簡単に説明しておくと、PanasonicのプラズマTV,地上波デジタルSTBに搭載されているブラウザ*1を用いて、カジュアルゲームの提供を3/24から開始した、というニュース。といってもFlashがごりごり動くわけでもなく、Direct3Dを積んでいるわけでもないので、結果的にはHTML+JavaScriptだけで実現できる「ゲーム性のあるHTMLコンテンツ」というレベルのものが提供されているようだ。
家電業界、特にテレビ業界においてはイノベーションのジレンマで悶々としているのは20年前から変わっていない。薄型大画面TVが登場し、地上波デジタルなんて言う魔法のような言葉が囁かれ始めたからこそ状況が好転したかのように見えたが、結局のところはPC用ディスプレイと一緒で「デカいか」「キレイか」しかパラメータがなく、最終的には如何に「安いか」で選択されてしまうのが現状である。
中島さんは同様のことが、ゲーム業界においては「最新のHWで」「大作を」がパラメタになってしまっていないかと警鐘を鳴らしている。と同時に、それらのパラメタの大きさでOutputを評価するような人間からの圧力が当分あるだろうが、それに屈せずイノベーションのジレンマを乗り越えて欲しい、と。
Exaaaaactly, I fully agree! と叫びたい。
家電メーカーで「大画面化、高画質化以外の『何か』が今、求められています!」と声高に叫んだところで、現状はまだまだ遠吠えにすぎないだろう。中島さんの言葉を借りると、「そんなことをやるために家電メーカーに入ったんじゃないだろう」「ぜんぜん儲からないのに、なぜそんなことをやるんだ」という社内外からの揶揄に晒されるかもしれない。『Tナビ』や『TVホーム』が高い利益を上げているわけではない*2事からも容易に想像がつく。だが、それでも、家電メーカーでは先のURLにあった『Tナビ』担当者のように、現状では亜流と知りながら、イノベーションのジレンマを乗り越えるための尖兵となるべく戦う社員が居る。時節柄、上司命令で異動が決まった人もいれば、手を上げてそこへ行こうという猛者もいるかもしれない。
スクエニの将来は、そしてゲーム業界の未来は、君たちが作って行くのだという強い意志を持って。
と、中島さんが書かれているが、私は次のテレビは、そしてAV業界の未来は、皆様方が作っていくのだという強い意志を持って。と、彼ら(TナビやTVホームの担当者)に言いたい。
...一つゲーム業界と違うところといえば、「これまでゲームをやらなかった人」を取り込むことが出来れば光が見えるだろうことがわかっている事に対し、テレビにおいては『何をしたら光が見えるのか』がまだまだ不明確なことだろう。さてどうしたものか。スクエニさん、松下さんだけじゃなく一緒に考えてくださいよ orz