Emerging Technology研究会 '06/03月開催版 感想

グロービス+Emerging Technology研究会共催(グロービス先端セミナー第1回)ソフトバンクボーダフォン買収で幕が上がる120兆円情報通信産業の波乱の行方」に参加してきましたので、感想・まとめ・ちょっとした要望などをざっとまとめてみた。

雰囲気,進め方

参加者200名前後?という盛大な会となった。前々回のET研にも参加したが、そのときは30名程度だった。盛況なのは良いことだが、人数ゆえに「話し手と聞き手」というスタンスがはっきりわかれてしまい、「研究会」「勉強会」というよりは「カンファレンス」という雰囲気になってしまっていた。だが、こじんまりとした集団でのバトルトークのような雰囲気も捨てがたい。カンファレンスと研究会を隔月で開催するなどの取り組みをしていただければありがたいのだが、などと無茶を言ってみたりしておこう。Blogだし(ぉ

トピック抽出

以下ソフトバンク社をSB、ボーダフォンをVF、YahooJapanをY!と略す。

  • 日本ではmobileだけでの勝利は難しく、固定系を交えた垂直統合で戦わざるをえない
  • SBの仮想敵はモバイルキャリアや固定系キャリアではない。おそらくはGoogle
  • SBは早く策(SB+Y!ならではのメリット提示)を打たなければならなず、時間的余裕がない
  • フルブラウザ端末を用意してもそれを活用してくれるユーザは少ない(現状)
    • コスト重視で行くならそんなユーザの為に端末メーカに高い金払わない(フルブラウザ端末全数、などの策は取らない)のでは
    • それなら、表の顔で国内端末メーカーに頭を下げつつ、海外端末のローカライズに投資するのでは。数年後にはラインナップがSUMSUNG,NOKIAばっかりになっていたりして...
  • 目指す姿(SBが持つインフラ・サービスが全て統合される絵)になるのはいつごろか
    • 2011年が肝。地デジ人口100%カバーは多分無理で、IP再送信の手を借りることになるだろう。そこにあわせこむため、2008年〜2011年の間になるのでは
  • Y!コンテンツの大半はOEM 課金したところでY!(SB)に利益が転がり込む形態となるかは疑問
  • 今Y!がやっているビジネスモデルはお客様をがっちり囲い、小額課金をしつつ広告で儲ける
    • 詳細な個人情報は通信事業者しか持って居ない
    • SBはVFを買うことで個人情報を買い、お客様を囲い込んだ
    • だがそのツケとしてインフラ維持管理というリスクを背負った
      • Googleはこういったリスク(余計な資産)を回避している 賢い
      • Googleダークファイバー網などは社内システム用であってSBにおけるVFとは違う
  • サービスだけやってれば効率良く稼げる物を何でインフラなんかに手ぇ出したんだか...
  • グローバル戦略は株主へのリップサービス
  • グローバルに戦えるとは思えない
    • SBは日本発ビジネスを海外展開して成功した事例を持たない
    • Y!ブランドでグローバルには出て行けない(Y!.incとの関係)
    • データサービスを使ってくれる国など日本・USAぐらいだ
  • 法的・担当省庁的な議論は無意味

最後に「まとめ」が欲しかった

会を良くするためにとの思いから敢えて問題点を指摘させていただくと、「まとめ」が無かった事がちょっと引っかかった。「そんなの自分でまとめろよ」というお叱りの声も聞こえてきそうだが、それは頭の回転が速く、周辺状況を良く理解している参加者にしかできないかもしれない。100名を超えるカンファレンスにおいて、しかも何か結論を求める議論でない以上、モデレーターさんなりの「まとめ」があれば、100%内容を理解できなかった参加者の方にとっても、何となく「得られたものがある」という実感を持っていただけるのではと思う次第である。

携帯端末製造事業者としての意見

モデレーターの渡辺さんがしきりに『端末メーカーの人からの質問ないですかー』と振っていた。目が合いまくった。『Blogで書くから許してん☆』ビームを送って逃げた(ぉ 逃げた都合上、週末中にでもエントリを上げることにしたい。
以上