関西弁Blogが少ないのは『Blog = 文章 = 文語』だからであって『関西がインターネット後進地域だから』ではない

はいはい、遅レスわろすわろす...と流してくだされ。エントリは書きかけていたので勿体ないから今更UP(w

元ネタはこちら:http://rblog-media.japan.cnet.com/0007/2006/05/web20_4013.html

元ネタエントリの一部を関西弁化してみよう。面白い事が見えてくる。

ブログで関西弁を使用している人を見かけない。ブログは関東の人達しか書いていないのか?書き言葉と話言葉の違いはあるが、テレビで見るような「勢力」はない。どうしてか?それはインターネットを馬鹿にしていた関西人の先見の無さが原因。

つぎにこれを「丁寧さ」を損なわずに関西弁化すると以下のようになる。

ブログで関西弁を使用している人を見かけない。ブログは関東の人達しか書いていないのか?書き言葉と話言葉の違いはあるが、テレビで見るような「勢力」はない。なんでか?それはインターネットを馬鹿にしていた関西人の先見の無さが原因。

彼の言うように「努力」して関西弁らしさを強調すると、丁寧さは損なわれ、口語調の文章とならざるをえない。

ブログで関西弁をつことる人は見かけへん。ブログは関東の人達しか書いてへんのやろか?書き言葉と話言葉の違いちゅーもんはあるにしても、テレビに出とるような「勢力」はあらへん。なんでやろか?それはインターネットを馬鹿にしとった関西人の先見の無さが原因とちゃうやろか。


....お分かりいただけただろうか?関西弁は口語であり、文語ではない。口語とは話しやすく読み辛いものである。そしてBlogは現状、文字メディアだ。勿論関西弁を文字化することは難しくないが、丁寧さを損なわずに書くためには、文と文の継ぎ目に多少見え隠れする程度でしか使用することができない。あまたブログを流し見していると、そのほとんどが丁寧語・あるいは説明文調の文語で書かれていることがわかる。感情表現の際には口語を併用するものの、文章の大半は文語なのである。それから、文字と音声の大きな違いとして、同じ字面でも関西弁と標準語で明らかにイントネーションが異なるものなのだが、文字化した時点でその差異は消滅してしまう。

まとめると、Blog界隈の常識は文語を主体とし一部口語調を織り交ぜて文字表記することであり、当該記述形態においては関西弁を全体に適用することは、基本的に口語であるが故に大変に難しい、という結論になる。

ネタ元では「当然、話言葉と書き言葉は違う。」の1行で切って捨てているが、そこが重要なのである。まぁ、重要そうなポイントを切って捨てることで議論を有利に進めるってのは論争では良く使われる手段ではあるのだが、誰しもが見て分かるような重要ポイントを切り捨てる事は感心しない。

もっとも口語体での文章表現に親しみがある年齢層ではどうだろうか?と考え、簡単な調査をしてみた。小中学生が多数利用していることで有名なBlog(厳密にはSNS)サービスのCafestaを使い、ユーザーを検索。検索キーは「10歳-19歳男女不問・職業『小・中学生』・地域『東京都』」である。そして出てきたユーザの最新エントリ,及び自己紹介ページを上位20名ざっとチェックしてみた。

結果、自己紹介ページにおいて完全に口語体ばかりを使用しているユーザーは僅か2名。残り18名のうち、9名がBlog界隈でよく見かける丁寧語と口語のハイブリッド*1、そして驚くべきことに残り8名*2は年齢故の多少の誤りはあるものの、基本的には丁寧語で綴っていた。意外である。対象をブログエントリに移すと、途端に口語率が高まる。実に15名が口語ばかりでのエントリをしたためていた。同様に大阪在住の小中学生を検索し文体をチェックしてみたところ、プロフィール文においてはやはり半数以上のユーザが文語かつ丁寧語(not 関西弁)を主体とし、感情を顕にするパートでのみ関西弁の口語を活用する、ハイブリッド型を使用。ブログエントリにおいては、都内同様口語率が50%を超え、そこで使われている口語はほぼ全て関西弁であった。結果的に、SNSにおける小中学生のエントリに限定するならば、予想通り口語率・関西弁率はかなり高いことがわかった。

5年後,10年後に彼らが成人となった時、それでも口語でのBlogエントリを続けているかどうかは興味深いが、恐らく文語を中心とし感情表現パートでのみ関西弁(口語)を使うエントリへと変わっている事だろう。それは関西がインターネット後進地域だからではなく、吉本興業が関西弁Blogを啓蒙しなかったからでもなく、成人たるもの不特定多数に公開する文章において口語を使用するべからず、という世の常識に則る人が大多数であるからであろう。

それって違うんじゃ?と反論する関東人の方が居られるなら、ご自身のBlogエントリに関東弁(東京弁?)を散りばめてからにしてほしいものである。

「てゆーか、GoogleってやっぱWeb2.0の雄じゃん?」
「昨日渋谷行ったらマジ美味い飲み屋あってさー」

ってなもんである。だったら我々関西陣*3

「まぁせやけどGoogleってやっぱWeb2.0の雄なんか?」
「昨日鶴橋でめっちゃ美味い飲み屋みつけてん」

と応酬して進ぜ様。




....ま、恥ずかしいんで実際はしないけどね

*1:『あと少しで卒業です。4月は中学だぁー。』『まぁナントカだと思いますけど、よろしくお願いします』『〜なんだけど、知ってる人がいたらメッセージください(^^』などが典型例

*2:1名は最新エントリ空欄のため除外

*3:誤字ではない