ネット映像メディアに足りないものは「受動的」であることと「体験共有」が難しいことだ

キー局は既得権益から離れたがらないようなので、YouTubeなんかよりももっと強烈な、何か彼らが真っ青になるようなサービスをぶつけてやらないと、重い腰を上げないとは思うのだが。
引用: キャズムを超えろ! ネットにおける著作権問題は道路におけるスピード違反と同等になりつつある

先のエントリでこんなことを書いたが、ネットメディアがキー局の市場を脅かすに至っていないのはなぜか、今のネットメディアに足りないものを考えてみた。カネだ!なんてみもふたもない突っ込みはナシでお願いしたい。カネが入ってくれば、結局ネットの上にキー局やハリウッドが出来てまた同じ歴史を繰り返すだけかもしれないのだから。
GyaoYouTubeがキー局の連中に冷や水を浴びせられるに至っていないのは何故か、色々と考えてみたのだが、行き着いた結論が「だらっと見る」ことが難しく「そうそうアレ見た?」って会話が成り立ちにくいことなんだろうなぁと推測。少なくとも後者に関しては、YouTube人気エントリーに関しては徐々に成立しつつあるものの、依然前者は闇の中だ。

テレビの魅力とは何か。だらりと眺めていれば、それなりに面白いコンテンツが自動的に切り替わりつつ表示されていく事がひとつ。しかもそれぞれが大金はたいて作られているだけあって、一定のクオリティを保っている。もう一つはコンテンツを時間軸で切って同報配信することで、他人との話題共有が時間軸的に容易である事だ。ex. 木曜日22時に配信されたコンテンツは金曜日の昼休みの話題になりやすいし、しやすい。


個人的に期待しているのは、last.FM+(Gyao+TV Bank)+YouTube+その他多数のネットメディア的な何か(ex. Ohmynews)だ。ネットメディアの強みは何といっても数である。この数を、類まれなるセンスで斬ることで価値が生まれるように思うのだ。具体的には、YouTubeGyaoといったネット上の映像コンテンツを切り貼りしてプレイリストを作成し、テレビ風に配信するサービスだ。重要なのはオンデマンドではなく、絶対時間軸をプレイリスト作成者に指定させることだ。Aさんのプレイリストを選択して再生している限り、6月20日の24時0分時点では全Aさんリスト視聴者が同じ番組の同じシーンを見ているという状態を作り出す。Aさんは別に個人である必要もない。サークルでもいいし、企業でもいいだろう。とにかく「24時間流れっぱなし」「自動的にコンテンツが切り替わる」「時間軸で他人とコンテンツ視聴体験を共有する」ということが重要なのである。今のネットメディアに足りないのはコレだ。Blog読んだりしつつTV点いてる諸兄は多いと思うが、同じことをネットメディアでやろうとしてもできないのである。まぁ実はGyaoでもできるのだが、Gyao内コンテンツに限定されているが故に「クオリティの低いテレビ」にしかなれていない。

さて、誰かプロモートしてはくれまいか。テレビ番組を不特定多数に再配信するのはNGだが、プレイリストを作って組み合わせだけ配信するなら法からも逃れられるんじゃ?と思った次第である。やるなら協力しまっせ(笑