はてなの米国進出が家電・自動車業界にもたらすメリットとは

はてなの米国進出が話題になっている。彼らが米国で成功し、日米共通のI/Fでサービスが提供されることとなったら、国内の家電メーカーとか自動車メーカーが注目しちゃうかもしれない。ネット家電はてなI/F向けに作れば、グローバルに使えてしまうからだ。

詳しく説明しよう。ネットにつながる家電、ネットにつながる自動車*1ってのは徐々に増えつつあり、ネット上のCGM集合知をリビングでも、クルマでも、という要望は絶対に出てくる。をぃをぃ、クルマでBlogなんて見るかよ(藁 なんて意見もあるだろうが、私はそうは思わない。形態はどうあれ、おもしろい、魅力的だと思うコンテンツは場所を問わずデバイスを問わず消費したくなるものだ。ポータブルオーディオプレイヤーしかり、ワンセグケータイしかり、カーTVしかりである。テレビが白黒からカラーになった頃に「持ち歩いてどこでも見れたら便利でしょ」なんてことを言ったって「そんなもの外出先でまで見るかよ(藁」と言われたに違いない。再生形態こそ変われど*2、この勢いでCGMが作られ続け、ソシアルなネットワークがネット上で形成されればされるほど、ソシアルなフィルタを通して選別されたCGMをいつでもどこでも消費したいという要望は増えはすれど減ることはないだろう。

おっと、本題に戻ろう。今CGM連携家電なんて出したところで台数はそれほど見込めない未知数のマーケットだし、そもそもブロードバンド環境がリビングに完備されている国家など稀だ。日本の家電メーカーがそういった商品を実験的に出すとしたら、マーケットはおのずと日本になり、国内限定でネット接続機能が付いたモデルが販売されるわけだ。各社のネット接続機能付きTVなんかを見てもらうとわかる。ブラウザを積んだTVはソニーだって松下だって国内販売のみなのである。だが、現時点では「Webが見れます」なんてのんきなことを言ってるわけだが、CGMと連携する家電なんて技術的には何の課題もなく実現できる。ジャストアイディアだが、テレビに「人気のWebを見る」みたいなボタンがついていて、押すたびにはてブのホットエントリ上位ページから順に表示していってくれるような機能であるとか。あるいは「人気の動画を見る」なんてボタンが付いて、これまた押すたびにYouTubeのfavorite数が高い動画から順に再生してくれる*3なんてのもアリだろう*4TCP/IPスタックなんてそこかしこの機器に積まれているのだから、面白いかどうか、売れるかどうか、倫理的にどうか、といった課題しか残されていないのだ。

ただ、こんなことをやろうとすると今の家電メーカーの実力ではCGMワールドを作りこむことができず、おのずとmixiだのはてなだの既存Webサービスと連携せざるをえなくなる。いやいやビジネスモデル的には自前で作るべきだ、といった議論はここでは横へ置き、既存ネットサービス事業者と家電メーカーがアライアンスを組み、前述したような機能を実現する商品を試験展開すると仮定しよう。

こんな企画を上げたら、絶対に上層部からぶつけられる質問がある。

面白いのはわかった。需要があるのもわかった。安く作れることもわかった。
で、グローバル展開はどうやるんだ?

痛い。非常に痛い質問である。国を超えてデファクト化しているCGMサービスってのは今の所存在していないからだ。Flickr対応デジカメ!なんて出したところで日本人誰も(Geekしか)使ってないんデスケドってかそもそも日本法人ないしorz  かといってmixiテレビとか出したところで、北米展開する際には契約先も作りこみも全部変えてMySpaceテレビにしなきゃいけないわけだ。これじゃぁコストが合わない。

仮にはてなが北米でそれなりのシェアを確保することができれば、日本の家電メーカーによるCGM家電なんてもののグローバル展開実現可能性が格段に上がるのである。先に例に出した「はてブのホットエントリを読む」なんて機能だって、繋ぎこむサーバを変えるだけでOKだろうし、契約だってグローバルな包括契約を1社と結ぶだけで良い。とまぁそんなわけで、個人的にはてなの海外展開には期待をしてしまうのである。

近藤さんのバイタリティなら、何とか形にはしてくれることだろう。生暖かく見守りたい。

参考:http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20170747,00.htm

※昼休みにモスの電源使ってなに書いてんだか...。

*1:カーナビというかカーマルチメディアシステムというか

*2:例えばクルマだと読み上げとか

*3:押す度に再生を中止して次の動画に遷移

*4:まぁ著作権云々はあるにせよ