リビングでのWeb閲覧は何でする?CEATECで体感したPS3のインターネットブラウザは超軽快だった!

CEATEC会場に設置されていたPS3にはきちんとWebブラウザが搭載されており、実際にWebブラウジングを試すことができる状態だった。そしてこれが、予想以上に快適なWeb閲覧が可能だったのである。

Wiiのインターネットブラウザはまだプレイアブルなものがないだけに創造の域を出ないが、PS3のブラウザの描画性能・操作感は想像をはるかに上回る出来だった。キノコはあるのにカーソルのアナログ操作に対応していないという致命的な問題はあるものの、アクトビラ対応TVなどに比べると『異次元の』快適さである。カーソルはPCのブラウザでTABキーを押し続けるに等しいスピードで移動するため、よほど細かなリンクの多いページでなければ快適に閲覧することが可能だ。また、アクトビラ対応TVと大きく違うのは『独りよがりの独自コンテンツ』への対応ではなく、既存ネットコンテンツへの対応をきっちりと行っている点。FLVへの対応はしっかりと行われており、YouTubeの閲覧も問題なくできるとのこと。

文字入力はPSPとまったく同じ方式。慣れればなかなか快適に入力できる方式だけに、キーボードがなくても十分に楽しめるだろう。説明員によると、USB接続のマウス・キーボードを繋げることが可能という。これもノンサポートではなく、PS3発売迄には公式対応マウス・キーボードの型番を公開できるとのこと。ヘビーに使おうとおもえば、PC並みの操作性を持つことができるというわけだ。

また、複数のウィンドゥを同時に開いての閲覧に対し、速度的にもUI的にもきちんと対策が打たれていた点は高く評価したい。具体的にはウィンドゥ切り替えボタン*1を押すと、Google画像検索結果のごとく現在開いているウィンドゥ全てのサムネイル画像がずらりと表示され、切り替えたいウィンドゥのサムネイル画像をカーソルキーで選べば切り替え完了、となる。こう書くとまどろっこしい操作のように思えるかもしれないが、サムネイルが表示されるのにかかる時間は僅か0.5秒程度であり、カーソルの移動も大変に早いためストレスを感じることはなかった。

説明員によると、ブラウザー機能はネット経由アップグレードに対応しており、PSPがそうであったように新しい技術(PSPではRSS)などにどんどんと対応していくことが可能な仕様となっているとのこと。技術的に可能か不可能かではなく、PSPで実際に行ってきた実績があるだけに、説得力があった。


家電メーカーの中にいると「専用ハードとテレビを比べちゃぁ可哀相」「ネットを見るためにそんな高い機械をわざわざTVとは別に買ったりはしない」という意見ばかりが聞こえてくる。が、PS2の世帯普及率は実に40%近い。WiiPS3の数年後のシェアを合計すると、60%近い数字となってもおかしくない。今回CEATECPS3のブラウザ機能を試用して思のは「さて、ネットでもするか」とかしこまって使うケースにおいて、アクトビラという選択肢は無いということだ。ただ、TVをみながらちょっと調べ物というケースやCMの合間にちょっとmixiチェックというケースにおいては、PS3の電源を入れてビデオ入力1に切り替えて、PS3のコントローラーに持ち替えて...なんて使い方は恐らくしない。そういう意味ではTVのブラウザ機能ってものは捨てたもんじゃないのだ。だが、そういったシチュエーションで使うサイトの大半は恐らく『一般インターネットコンテンツ』であって『アクトビラ公式コンテンツ』ではない。また、現状のアクトビラ対応TVはテレビ映像を『見ながら』のブラウジングにも対応していない。

  • 公式コンテンツ縛りをやめ、一般インターネットコンテンツに対応
  • TVを見ながらブラウジングできる機能の搭載

この2つが実現されない限り、アクトビラは一部シルバー層が楽しく便利に使えるサービスに特化するぐらいしか、残された道はないのかもしれない。PS3,Wiiを持たない残り40%の世帯のうち、アクトビラ対応TVを購入済み、インターネット契約済み、LAN端子をTVに接続済みで、さらにアクトビラ・ボタンを押してくれるユーザが一体何パーセント居るというのだろうか。

(参考)PS2世帯普及率資料:http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060315/232603/?SS=imgview&FD=-238881352

*1:△だったか□だったかは失念