キャリア公式SNSが3社揃い踏み。収益に繋げるキーファクターは物販連携か!?

11月14日よりSNSYahoo! Days」が、ソフトバンク端末なら招待無しで参加可能となった。予想されていたことではあるが、いきなりの対応に孫社長トップダウンが透けて見える。が、ここは何とか間に合わせたことを手放しに褒めるべきだろう。というのも、auEZ GREE開始日が11月16日と発表されており、DoCoMo楽天オークションと連携するSNS「オクトモ」を13日に開始済みだからだ。ここで乗り遅れるわけにはいかない。

これら3つのキャリア公式SNSの中では、占いやミニゲームといった携帯パワーユーザである若年層/非IT系層に特化したコンテンツを用意するEZ GREEが一歩リードしていると言わざるを得ない。ベタな方向ではあるけれど。

ただ、収益面や中長期的視点で考えると、オークションやECとの連携ができるという点は非常に重要なポイントである。SNSそのものはターゲティング広告用のいちメディアとしか捕らえずとも、コミュニティから自社オークションサイトへの顧客誘導がしっかりとできるようコミュニティ側を作りこんでおけば、利益率の高いオークションサイト側で回収できるだろう、と。そういう見方をするとDoCoMo with 楽天ソフトバンク with Yahooの追い上げが想定される。DoCoMoは既にシステムを完成させて運用に入っているという強みがあるものの、楽天オークションCGMとしては致命的な「ゼロからのスタート」*1という問題点を抱えている。

対するソフトバンクとしてはYahoo! Daysの非登録制化についてもどうみてもやっつけ仕事であり、オークションなどとの繋ぎこみや、携帯版ならではの機能・コンテンツについてはまだまだこれからといったところ。だが、ひとたびオークションとの繋ぎこみが可能となれば、ピーク時は1日1000万出品とも報告されている破壊的なヤフオク・パワーは、他に類を見ない強力なコンテンツとなるだろう。問題はそれまでにauがモバオク連携を実現できていたり、楽天オークションの出品数が必要十分に伸びてしまっていた場合だ。とにかくソフトバンクは死ぬ気でYahoo! DaysYahoo!オークション連携を実現し、キャリア公式SNS戦国時代に油を注ぎまくってもらいたいものである。スポーツ観戦は、白熱した試合ほど見ていて楽しいのだから(笑


SNSサービスだけで純増に貢献するのは難しいだろうが、オークション機能連携などの便利さ・SNSの居心地の良さなどを前面に出していけば、MNPによる他キャリアへの顧客流出は最低限に抑えることができるやもしれない。

また私の持論は「公式SNSと端末機能を融合させることで利便性を上げ、囲い込みを図っていくのではないか?」というものである。勿論今回のYahoo! Days非招待化が直接機器とWebサービスの連動に繋がるわけではないが、ここまでやってしまったのだから次は本当にハードウェア連携をしてくるのではないか? という期待感があるのも確かだ。携帯電話の電話帳にはリアルの友達とSNS友達の両方が混在しており、メール機能はSNS内メールと携帯電話メールがシームレスに利用できる、なんてところからスタートするかもしれない。...というか、してくださいマジで。オークションの終了日時と携帯電話本体のアラーム機能が連携する、なんてのもありだろう。

明後日のEZ GREEお披露目を節目に、ケータイとWebコミュニティは密連携時代に突入しそうである。オークション,EC連携を含め、この分野は当面の間注目だ。<関連する過去のエントリー>
Softbankは非PCユーザにどうやってYahoo!コンテンツを訴求するのか

au My PageはDUOGATE,そしてGreeとの連携でキャリア公式SNSへの道を歩み始めるか!?

mixiがキャズムを超えるための最終兵器としてMVNOによるケータイ融合という手はどうか

<参考情報>
ヤフオク出品 1日平均1000万件に
http://ir.yahoo.co.jp/jp/bizres/bshighlight/q_2006q1.html

ヤフーの SNSYahoo! Days」、Yahoo!ケータイ利用者なら招待不要に
http://japan.internet.com/busnews/20061114/5.html

*1:流行っていなかったとはいえ楽天フリマからの顧客誘導が期待できるため、完全にゼロからというのは語弊があるが、それでも1か2程度からのスタートだろう