YouTube+BlogでTVコンテンツの視聴形態が変わりそうなのは若い人だけ...か!?

先日、DVDレコーダーを作っている部門の偉いさん*1と話をしていたのだが、「(著作権問題を無視したとすれば)YouTubeとBlog, SNSを組み合わせたTV番組の視聴スタイルって最高だよね!」という話題をちぃいいいいっとも理解してもらえなかったのがものすごくショッキングだった。ショックを受けた要因は2つある。

一つはTVの新しい視聴方法を提案・推進しているはずのDVDレコーダー部門の方にもかかわらず、そういった使い方の魅力を認識しておられなかったこと。

もう一つはきちんと概念を説明してDEMOまで見せて説明したものの『私にとってはこの視聴スタイルのどこが魅力的なのかが正直よくわからない』という感想しか出てこなかったことだ。

YouTube + Blog,SNSによって得られる新しい視聴スタイルのメリットとして私が強く推した点は以下のとおり。

  • 基本理念
    • 番組の面白いところだけが見れる
  • Closedな使い方
    • 面白いシーンを友達に知らせて"話題を共有"できる
    • 友達の間で話題になっているシーンを必ず見れる
  • Openな使い方
    • "その筋"の人たちの間での「話題のシーン」なるものを手軽に楽しめる
    • すなわち"その筋"の人たちの視線・視点で楽しめ、仲間になったような感覚が味わえる

"その筋"の部分は特定の趣味ジャンルに置き換えていただければと思う。「アイドル好き」「アニメ好き」「ツンデレ女優好き」とまぁそんなワードを代入してみるといい。

その後もいろいろなおじ様方に話を聞いてみたところ、「特定の趣味ジャンルの権威たちがオススメしてくれる番組の特定シーン」に対してそれほど興味を抱かない層であることがだんだんわかってきた。これは、特定ジャンルにおいて深い趣味性を持っていない方からは当然のごとく強い意見として出てきた。同様に、仲間うちでの話題シーンの共有についても魅力が見出せないとのこと。こちらは年齢層があがればあがるほど顕著だったように思う。どうして?と問えば「だって自分が見たい番組は全部録ってあるんだから、それを見ればいい」「他人の意見はいい、自分がみたいように見るんだ」というような意見がでてきた。


逆に私のような比較的若い世代かつ趣味性のはっきりしている層となると、テレビ番組というコンテンツは、Webや雑誌、音楽、ゲーム、その他を含む大量の消費すべきコンテンツのなかのごく一部でしかない。しかも特定趣味クラスター(当然だが仕事クラスターなどでもかまわない)に所属した生活を送る限り、クラスターから大きく外れたコンテンツを消費する時間的余裕はない。仮に時間があったとしてもそれらコンテンツはノイズでしかなく、いかに効率的に排除するかが課題となるだろう。また、消費したコンテンツは活用することも多い。Blogに感想を書く、SNSでその映像をネタに盛り上がる、などの活用だ。ここは重要なポイントだと感じる。なぜなら、自らのクラスター外のコンテンツを消費してしまうと、活用することができない、いわば「無駄消費」になってしまうからだ。まわりに野球ファンしかいない人が、相撲の話題を知ってどうしろと言うのだ、てなもんである。

そこでYouTube+Blog,SNSが登場し、その筋の人によるその筋の人のための映像セレクションを楽しめるようになって、効率的な消費が可能となり、諸手を上げて喜ぶ...となるはずなのだが。


さて、ショッキングではあったものの、世代間ギャップがここまであるということがわかり、非常に大きな収穫となった。機会があれば、特定ジャンルにおいて高い趣味属性を持つ年配の方にもう一度この質問をぶつけてみたい。

とりあえず今日のところは「YouTube+Blog,SNS的視聴スタイルの魅力は年配の男性にはなかなか理解してもらいにくいらしい」ということだけはわかった。当然のことながら、若手社員はみな声をそろえて『いや絶対それ便利ですから!』と言ってくれるのだが...。

個人的にはYouTube+BlogスタイルでTV番組を見れるDVDレコーダーが売られれば、発売後2年目ぐらいにはキャズムを超えてブレイクすると信じて疑わない。が、最初に飛びつくアーリーアドプタ層はどうも若い人たちなのだろうなぁというのだけは何となくわかってきた今日この頃である。

※で、深い関係性はないのだがナナオのカラーユニバーサルデザイン対応ワイドモニターが欲しい!

*1:40〜50前後ぐらいの年齢層