『リアル連携するバーチャルワールドをケータイを活用して楽しむ』Webサービスは流行るか!?

「それなんてSecond Lifeモバゲータウン?」とか言わずにまぁ聞いてほしい。Tech momの海部さんが言うように、日本の広告マーケットを考えるとWeb側だけで閉じてしまうビジネスはどうしても閉塞感が出てくる。これは1年や2年ではなかなか状況好転しないだろう。そこで、リアル(現実世界)との連携を主要なゲーム要素としたバーチャルワールド系コミュニティが登場してくるのではないだろうか、という妄想を思いついた次第。

先日まではSecond Lifeがいい意味でも悪い意味でも話題を振りまいていたのは記憶に新しい。日本人はリアルとバーチャルを切り離し、匿名文化でバーチャルを楽しむのが大変に得意だ。そういう意味ではSecond Lifeと日本人の相性はよさそうなものだが、あそこまでリアルと切り離した世界となると、日常生活のツールとはなりえなかったのだろう。勿論、 Second Life内でクーポンを配る飲食店や、社員募集する企業などが現れることで多少のリアル連携は出てくるだろうが。

そこへきて、ここはケータイ大国ニッポン&忙しい大国ニッポンである。家に帰ってPCでじっくりSecond Lifeをプレイするスタイルよりは、携帯を使って隙間時間に楽しむスタイルのほうがお国事情に合っている。じゃぁモバゲータウンでいいのか?というと、これまたバーチャルに寄りすぎていてリアルとのつながりが希薄に感じる。実際のところは学校裏サイト的な位置づけでもあり、リアルのコミュニティを持ち込んではいるのだが、具体的にリアルとつなげる施策が打たれているかというと、18禁サイトではないこともあり敢えてそのラインは攻めづらい立場にあると見て取れなくもない。だからモバゲーは普及しないとか、そういう話をしているわけではないので念のため。

モバゲーやmixiの進んだ方向には確かにある程度のマーケットがあるが、すでに血みどろのレッドオーシャン様相を呈している。同じ方向を向いて進んでいっても資本力のないベンチャーや動きの遅い大手企業では勝負にならないだろうし、よしんばできたとしても消耗戦を余儀なくされる。

そこで表題の『リアル連携するバーチャルワールドをケータイを活用して楽しむ』Webサービス、という話題につながる。ケータイでブラウズするバーチャルワールドを作るのだが、リアルとリンクしている部分をそこかしこに用意してやる。果たしてそんなサービスが使っていて面白いのかどうか、は作り手側の調整ひとつ。リアルにつなげることができれば日本国内限定で十数万人程度の会員数であっても、十分に広告モデルが成立しうる。リアルとの交渉力が強い大手にとっても、こういった攻め方ならまだ攻め処が残っているのではないだろうか。

リアルの店舗で服を買ったらバーチャル世界でも同じ服をアバターに着せることができる...なんて機能でもいいし*1GPSケータイを使って"イマココ"ボタンを押せば付近に居る(あるいはその地域に興味のある)ユーザとCHATできる、なんて機能でもいい。乗り換え案内機能を使ったら『同じルートを通ってる(通ろうとしてる)人のコミュニティに入りますか? (Y/N)』なんて問いを投げかけてくるような機能でもいいだろう。トランスコスモスフロムソフトウェアらによる「meet-me」ではないが、バーチャルな日本列島を作って「今その場所に居る人」と「そうじゃないけどバーチャルにその場所に来ている人」を可視化できるようにしてしまう、なんて試みも面白いかもしれない。

あとは、ローカル広告などにうまくマッチングさせるなり、リアル店舗での売り上げからのキックバックを求めるモデルなりをうまくシステム化,インフラ化して組み込むことができれば、国内でもバーチャルワールドプラットフォームビジネスがそれなりに勃興するのではないかと思う次第である。




...ってなことを、カイ氏伝の中のひとから教えてもらった「コロニーな生活 PLUS (通称"コロプラ")」なるGPS連動で微妙にリアルと繋がってるバーチャルワールドゲームを遊んでみて思った次第。本エントリーを読んで興味をもたれた方は是非一度遊んでみることをおすすめしたい。

コロプラ自体はビジネスモデルとして微妙...というか完全に趣味でやってんだろうなぁという感じだが、このリアルとバーチャルの絶妙な融合度合いがビジネスの匂いを感じさせる、という意味 

*1:これはもうはじめているところがある