取材対象がブログを持っていることの意味(東洋経済online掲載記事の紹介&フォロー)

東洋経済オンラインCerevo社の記事が載りました。東洋経済の桑原さん、ありがとうございました。

デジカメ版「ipod」の開発を目指す家電ベンチャー
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/12567cf4c6e8abb1fe4784b37fd81aed/

1点だけ残念なことは、本Blogキャズムを超えろ!について言及されていなかったことorz

最近こういうメディアの取材を受けるときに「掲載前に初稿確認させてくださいね」というと「そういうのはやっていないので」と断られるということをはじめて知った。今回の東洋経済 桑原さんには本件確認し忘れたので実は東洋経済さんはOK、ということかもしれないが、他のメディアさんだと結構多い。

あるメディアでは知人の記者でもそれはだめよ、といわれちゃったのでルールなんだろう。やっぱり初稿確認した時点で「そういう書き方はやめてよ」「いやそれを書きたいんだから!」という話になると厄介だからだろうか。

まぁそのへんのメディア論についてはガ島通信藤代さんや佐々木俊尚さんじゃぁないのでここでは触れないが『別にいいよ、見せたくないなら。もし間違いがあったら記者さんが勝手にこういう書き方にしただけだよ』的なことをBlogで訂正なりすればいい、というのはいい時代になったもんだ。というと、反対の意見を書かれたり、意見を捻じ曲げられたりといったケースに反論するというパターンが想像されるが、ここで言いたいのはそういう話じゃない。雑誌記事ってのは3000wなり1000wなりに凝縮して読みやすくしなければならないがゆえに枝葉末節が意図的に省かれる。専門家以外の人から見ると枝葉末節はどうでもよかたりするのだが、取材されたほうの立場としては「いやここはこういう意図で言っていて、具体的な機種名はこうで、構造はこうなっていて...」なんて枝葉末節をちゃんと説明したくて、それが読者に伝わっていないかと思うと胸を掻き毟られるような切ない思いになる。そのへんをBlogという文字数制限もなければ放送禁止用語制限もない(?)パーソナルなメディアで好きなだけ発信できることは幸せなのである。


なので、雑誌等取材の際にはBlogを書いていて、それがキャズムを超えろ!という名前で運営されている、ということはなるたけ入れてもらうようお願いしている*1。初稿確認はできないが、これぐらいなら許容いただけるパターンが多いから。

ペパボ家入社長の"元ニート"やはてな近藤社長の"京大卒"などの「レッテル張り」をしたくなるメディアの方の気持ちもわかるし、読者もこういうフックがあると記事にすんなりと入りやすい。で、前述したBlog明記の話に戻るのだが、『Panasonic社員だった若造がBlogがきっかけで独立しました』というレッテルはこれからもついて回るのだろうが、元Panaはさておきレッテルにブログだのブロガーだのってのが含まれているってのは、常にパブリックな情報ソースとパーソナルな情報ソースの距離感を近づけてくれるレッテルとして、喜んで受け入れたいと思う。実際、6月頭から記事掲載をいただくようになって、GoogleやYahoode『キャズムを超えろ!』で検索してこられる方がぐっと増えた。


で、さっきの記事についてだけど、私はそんなにアップルファンではありません、念のため(笑) Mac Bookを使うなんてミーハーなことはぜったいに嫌だし、iPodユーザーインターフェースはいけてない部分も多いと思う。ジョグホイールあるなら早送り・巻き戻しをジョグホイールでできるようにしろよ、とかね。センターボタンを押したらメーター表示が3種類に切り替わるなんて意味わからん。1回センター押したら早送り・巻き戻しゲージが出てきてジョグくるくる、でええやないの。デジタルデータなんだから。※書いたとおりの機能がiPodに実装されていることをコメ欄指摘で知って愕然...。まぁAppleが実装したやりかたと、私の「こうあればいい」がほぼ同じ方式だったのでお前のUI設計理念も捨てたものではない、と自分を慰めることにしますorz

閑話休題。話を戻そう。記事中「iPodを手本に」とあるところは「iPodのような"成功するCEの条件"を手本」とするという意味で言った。別に私ぁiPodを作りたいわけではないし、あんなネット(特にCGM/UGC/クラウド)と親和性のない機器にはしたくない。ただ、成功するネットCEとは何か?今売れる家電とは何か?という条件の多くをiPodモデルが持っているため、それは大先輩のお手本として拝借したい、という意である。

あと、Panasonicや(昔の)KODAKがやっていたような自社サイトエクスクルーシブなUPLOAD先を設けた(囲い込んだ)WiFiデジカメを出すつもりもないので、この点は誤解なきよう。まぁ商品詳細については追々、ということで。詳細な仕様はまだまだ詰めているところなので、皆さんのご意見なんかも参考にしながら考えていきます。EyeFiとTZ50、ちょっと製品は違うけどSONYWiFiフォトフレーム。これらそれぞれの短所を良く見極めて考えていきたい。どっかで意見聴取会みたいなのをさせていただく、ってのは良いかもしれない。来ていただけるのかどうかはわからないけど、少人数でもいいのでやってみたいかな。

最後に音質とかバッテリの持ちといったところがiPodシリーズより優れている云々のくだり、詳細な機種名が削られているがソニエリウォークマンケータイ対ipod nanoの話。音質については個人差あるけど、少なくとも最初からついてるヘッドフォンで聞く限りはW52Sの音質は相当いいです。nanoのあのヘッドフォンとは比べるべきじゃぁないかもしれないけど、大半のユーザーが標準付属ヘッドフォンで聞いている以上仕方ないかと。バッテリの持ちはスペックシートを鵜呑みにするのは良くないとわかっていつつも、W52Sの110時間に対して第3世代nanoは24時間だ。まぁ通話とかメールもするからもっと短くなるじゃんという話はさておき。液晶については述べる必要もなし。この音楽ケータイ VS ipodネタについてはちょっと触れなかった話があって、CPUスペックだってグラフィック処理能力だってケータイはnanoの何倍もあるんだから、なんでもっとさくさくすむーずなGUIにできないんだよ!と叫びたくなる。このへんがシンプル機能特化家電とごってりてんこ盛りケータイ(とかPC)の違いなんだけど、それをえいやーっと解決してしまったiPhoneはすごいなぁと思う。技術力ではなくて政治力というか商品企画力というか。

やればできる子なのよ、日本のケータイちゃんは。ハードウェアのSpec的には。うう...(涙




※最近、遂行しない殴り書き的エントリーが楽しいw まぁBlogだし。雑誌記事じゃないし。

*1:今回の記事では記者さんに伝え忘れた...私のミスですw