商品企画・マーケティング力をつけるため、雑誌はまとめて5冊以上買おう

雑誌まとめ買い

企画・マーケティングといった発想を仕事にする職種の人にとって、雑誌をまとめ買いすることは結構おすすめだ。写真にあるのは今日買ってきた6冊と、もらった1冊。当たり前だが雑誌ってのはターゲットとするユーザーがいて、そのユーザーのことをよーくわかっている人、あるいはそのユーザーそのものが中身を編集・執筆している。だから女性をターゲットにした商品を開発するときは女性誌を買いあさって...とやる人が多いが、今回紹介するのはそういうテクニックじゃぁない。

マーケティングマン、企画マンとしての発想力・ユーザーの動向を探るための方法として、今月は女性誌、今週は男性誌、今日は男性若年層向けファッション誌...などと読むのではなく、ある日突然5冊とか10冊がばっと買うのだ。当然だが買うときは自分が企画する商品のターゲット層を意識し、彼らが読むであろう「仕事の雑誌」と「プライベートの雑誌」をそれぞれ含める。また、あえてターゲットを外した層向けの雑誌も混ぜる。同時に買うことと、ターゲット外のものを混ぜる、この2点がポイントだ。

なぜ同時に買うのか? そんなに一気に読めないんだから情報が陳腐化しちゃうじゃないか、という見方もあるがここで買ってきた雑誌は自分の楽しみのために読むわけではない。最新の情報を仕入れることが目的ではないのだ。同時に買うことで、本によって取り上げる話題が被る。ここがポイントだ。同一の事象を、どういう観点からどのように紹介しているか? その切り口の"差"を見ていくのである。たとえばいま話題のデジタルアイテムといえば「iPhone」「QuietComfort3」「TG1」「ミニノートPC」。話題のクルマといえば「Peugeot308」。これらに対し、どういう観点からどう書いているか、どれぐらいの取り上げ方をされているのか、タイアップ記事なのかそうでないのか、などを徹底的に比較していくのだ。そうすることで、いろいろなものが見えてくる。1回買ったら半年ぐらい買わなくてもOK。ユーザーのトレンドはそんなに早くは移らないからだ。


女性誌では例え女性ビジネスマン向け雑誌であってもハードウェアの機能よりもカラーや服装とのマッチング(かばんに入るかどうか等)が取り上げられ、タイアップ記事でのみスペックや詳細な機能の部分が語られている。同じハードウェアが男性普通ビジネスマン向け誌ではスペック比較表とともに掲載されている。これが男性ちょっと年が上か、金持ってるビジネスマン向け誌になると途端に星取り表はなりをひそめ、紹介されるモデル数も減らした上で、ある程度ネームバリューのある人による「紹介記事」風となり、途端にエコだのステータスだのといった言葉が飛び出す。


同じプロダクトについて言っているからこそ、同じ時期に言っているからこそ、"差異"で学ぶことができるのだ。思い切って女性誌やシニア向け誌なども買ってみるといい。世の中誰もがiPhoneで狂喜乱舞しているわけじゃぁないことがよくわかって冷静になれるwww 締め切りの都合かもしれないけど、25日発売のL dime(エル・ダイム。DIMEの女性向け版)なんか、女性向けガジェット雑誌なのにiPhoneのアイの字すら載ってなかったからね...。


意外に注目されてるのはHPが出したミニノートPC。へーそうなのかぁー。そういや昨日マクドEeePC(初代、なんと色は黒!)を取り出して仕事してる若い女性ビジネスマンがいたことを思い出した。



技術者と違って、商品企画やマーケティングに正解や王道はない。プロダクトデザインなんかも同じだと言われるが、発想を磨くためのひとつの手段として、雑誌一気まとめ買いは試して損はないだろう。 会社の経費で落としたい時にも、毎月ちょこちょこ買っていると自分の金でやれよと上司にいやみのひとつも言われるかもしれないが「リサーチ目的です」と言って5000円ぐらいの領収書切ってドサッ! と雑誌の山を積んでしまえば「お、なんか意図があるんだろうな」と理解してくれること請け合いである。


来月ぐらいにはiPhoneネタをこぞって各誌がやるだろうから、そのタイミングで実践してみてはいかがだろうか。


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