実力十分!? 激安PND XROAD RM-C3500(キャズムを超えろ!ガジェットレビュー)

ガジェットレビューがかなり溜まってきていて消化しきれていない今日このごろ。本日は、流行りのポータブルナビ(XROAD RM-C3500 楽天最安値24,000円ちょい)を使ってみたレビューだ。色んなところでちょくちょくポータブルナビの情報をみるにつけ、ほんとにアレって使い物になるのか? 安物買いの銭失いにならないのか? という疑問を持った方も少なくないだろう、ということで。結論からいえば、ふつーにカーナビとして使うぶん、またバイクに取り付けてバイク用ナビとして使うぶんには"目的地から数百メートル以内"にたどり着くという目的については国産カーナビ並みにこなしてくれる。なんだよその数百メートルってのは! という点については後述。

PNDってぇもんについて

折角家電屋の私がレビューするのだから、ちょっと業界の話に触れておこう。ポータブルナビってのは、いわゆる20万円とかする高級カーナビから、シンプルに道案内機能のみを抽出した小型・安価なカーナビのこと。ちなみにアメリカ市場では2万円以下のモデルが主流。昨年のブラックフライデーには$99という破格の値札をつけた量販店もあったぐらい。

日本では最近出てきた新手のデバイスのような触れ込みで報道されることが多いが、北米市場ではPND(personal navigation device*1を新車で買う奴ぐらい...ってのは流石に言いすぎかもしれないが、カーナビ市場の大半はこのPNDが占める。あのパイオニアクラリオンパナソニックですらPNDを主流商品に位置づけるぐらいの流行りようなのだから、国が変われば何が流行るかわからない。ま、だから家電って面白いんだけどね。

メーカー名を見てみると、パナソニックサムスンではなく、ガーミン(GARMIN)やトントン(TomTom)といったPND専業メーカーが幅を利かせているのも面白い。メインプロセッサにGPSユニットと1Gbyte程度のメモリ、3〜4インチの液晶ディスプレイという構成はネジとボルトというレベルでコモディティ化してしまい、OSもWindowsCEベースのカーナビ専用OSみたいなのがほぼ完璧に整備されている現在、本当に誰でも作れてしまい、ファブレス生産による価格競争しか勝負どころがなくなってきている為、給料が高い正社員を多数食わせていかなければいけない&流通の中間マージンが多い大手メーカーは参入しづらいのだろう。

というわけでPioneerが北米で出している下記PNDだが、価格帯的にはハイエンドに位置する設定のみという格好だ。
AVIC-F500BT(パイオニア北米サイト)

※厳密には大手のほうが値段を下げられる可能性があるのだが、市場が細分化されており物量作戦によるコスト低減策を利かせにくくなってしまっている為。また価格が下がりすぎておりバッファがもうあまりない、という可能性も高い

XROAD RM-C3500レビュー

あぶないあぶない、PNDの紹介と業界動向だけでエントリーを終わらせてしまうところだった。さて本題のRM-C3500。まぁアメリカでPNDが売れてることからもわかるように、ぶっちゃけこれがあればナビゲーションという意味では事足りる。カメラつきケータイがあればデジカメがなくても事足りる、という例に近いイメージだといえば分かりやすいかもしれない。

液晶は最大輝度にすると350cd/m2と明るく、真昼間にバイクに取り付けて使用しても問題なく見えるレベル。ルート案内は一般道優先や有料道路優先など一通りそろえており、案内精度もまずまず。当然最近流行りの3次元ジャイロセンサーだのスピードセンサー直結だのといった機能は積んでいないので、立体駐車場で迷子になるとかトンネル内で分岐があった時などに一時的に変な動きをするなどはあるものの、ちゃんと目的地に付くことが出来る。


ただ1個だけ、こりゃ絶対だめだろ、というポイントがある。


それは地図データに番地"号"が入っていないことだ。東京都渋谷区3-13-20という番地があったとして、東京都渋谷区3-13 までしかたどり着けないということだ。これは意外なほど痛い。個人的なカーナビの使い方が、およその場所までたどり着くことよりも、およその場所から具体的にどのビル?どの家? までたどり着けることがカーナビの売りだと思って購入したクチだからだ。およその場所(最寄駅前とか)までなら地図見て行きゃぁ十分だったりするからだ。

技術的な見かたをすると、1Gbyte程度のメモリーに番地情報まで含めたデータをぶちこめというのは無理があるのだが、それなら4Gにして番地情報入れろよと思ってしまうわけである。


良いところ、悪いところ(使いにくいと感じたところ)をまとめて締めくくりたいと思う。

良いところ
  • 安い。実売25000円以下(下記楽天リンク参照)で買えるのは魅力。ソニーやガーミンの国内モデルは3万円超え。
  • 取り付け工賃がかからない。置いて、電源を繋ぐだけ。
  • バッテリ内蔵していて3時間ほど動く。バイクに取り付けてちょっとお出かけ、という使い方や、車で目的地についたらカーナビを取り外してカバンに入れておき、歩きながら使うといったことも可能(但しフル充電には6時間ぐらいかかる)
  • 車のエンジンかけれたら自動電源ON・エンジン切ったらOFFに対応
  • 思ったよりヤスモノ感がなく、車に常時取り付けしていてもダサくない。むしろ小さくて高性能でおしゃれな感じ(少なくともオンダッシュの7インチモニターを載せるよりスタイリッシュ
  • 小さいので(車種によるが)ダッシュボード右上(運転席右側前)に取り付け可能。助手席側に取り付けた場合に比べて右手で簡単に操作できる
  • 付属ホルダーのデキが割といい。
    • 吸盤でガッチリ固定できるし、ネジ類が大きくノッチを切っているため緩んでこない。ガチガチに足回りを固めて強化エンジンマウントを入れたうちの車でも、ボロボロで振動のひどいうちの原付バイクでも問題なかった
    • ただし、調整可能箇所が2箇所しかないので、3次元的に傾いた場所に取り付けた際は適切な角度を保つことが難しい。できれば3箇所ほしかった(現在使用中のソニーXYZ77では3箇所調整可)
  • オービス地点データが最初から入っており、警告してくれる
悪いところ
  • 番地まで入った地図情報がなく、最終目的地"付近"までしかたどり着けない(先に述べたとおり)
  • 一番良く使う「拡大」「縮小」ボタンが小さく押しづらい
  • ナビ画面で音量調整ができない
    • こういう類のナビはカーステレオとは別途使うため、一人で大音量BGMをかけて走るときと、誰かを乗せてBGM音量小さめで走るときではナビ側の音量を変える必要があるからだ。
  • 標準付属1Gカード(地図入り)の残り容量が50Mしかない
    • ナビと音楽を両立させようと思うと、2GぐらいのSDカードを買ってきて付属カードから地図データをコピー、その上でmp3を転送しないといけない。メンドウだしコストがかかるコメントで購入者さんから指摘をもらった。地図データはプロテクトされているので大容量ディスクにコピーして云々というのはできないらしい。むぅー。『mp3部は使えねぇ!』が結論かなww
  • ナビしながら曲を聞く、という操作ができない(mp3プレイヤとして使うか、カーナビとして使うか2社択一)
  • 全体的に一画面に要素をつめこみすぎていてボタンが小さく、タッチ操作しにくい。もうちょっと良いUIデザイナーを使ったほうがいいとおもう...。
本質じゃないけどちょい微妙なポイント
  • 電源挿入口が側面にあるのでケーブルが見えてしまってカッコよくない
  • 付属シガーライターケーブルが超絶イケてない。いまどきカールコードとか流行りませんよほんと...。シガーライターからDC5v(ミニUSB)を供給できるアダプタは色々売っているので、このへんは気に入らなければ変更するしかない
  • ホワイトモデルがあるのにケーブルが黒でダサい
  • 韓国製
    • サムソンのオーディオプレイヤユーザーだったりするぐらいなので私は気にしないが、何となく韓国製製品は嫌いだという人もいる為、一応明記
俺は気にしないがいわゆる日本製高級カーナビと比較して省かれている要素
  • VICS非対応
  • 動画が見れない・テレビも見れない
  • 電話番号検索ができない(電話帳データをもってない)
  • GPS電波が入らないとこでは迷子になる
  • ジャンル情報などは最低限。有名な場所(後楽園ホールとかTDLとか)は出てくるが地元の天下一品ラーメンの場所とかはわからない場合が多い

楽天最安値店で買う(Amazonでは取り扱いなし)


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本エントリーはCyberBuzz(以下CB社)レビュープログラムに参加してのエントリーである。本ブログ「キャズムを超えろ」にて1エントリー以上の製品紹介を行うこと、RM-C3500のオフィシャルサイトへリンクすることを条件としてRM-C3500の貸し出しを約1ヶ月受けている。尚、謝礼等は発生していない。

*1:personal navigation systemと誤記していたので訂正。某氏感謝!)))と呼ばれるこの種のデバイスが 一番売れてるカーナビ である。20万円も30万円もするカーナビを車に取り付ける奴なんざぁLexusやらBMW((アメリカでは典型的な高級車