名刺1枚でデジタル一眼の室内撮影を格段に美しくする方法

デジタル一眼レフカメラを買ったはものの、室内で撮影すると「いかにもシロウト」って感じの写真になってきれいに撮れない...とお悩みの方へ。勿論、BESTな解決方法は角度調整可能な外付けフラッシュ+明るいレンズ、であることは言うまでもない。でもそんな高価なアイテム買えないよー or 外付けフラッシュはでかいから持ち歩けなくて不便...というときは、この"名刺ディフューザー兼バウンサー"を試してみてほしい。

まず、名刺など白くて分厚い紙を用意し、下図のようにアクセサリーシュー*1に刺さるようはさみやカッターでカットする。
IMG_5377

次に図のようにアクセサリーシューに突っ込む。
DSCN0776

以上終わり。完成するとこんな感じ。
DSCN0775

で、コレをつけると何が起こるかというと、一部の光は白い紙面で反射され、天井を明るく照らす。つまり、外付けフラッシュにおけるバウンス撮影と同じような効果を得ることができるというわけだ。さらに、厚紙を通して残った光は拡散されつつ被写体に正面から当たる。バウンス撮影のみでは鼻の下などにできやすい影を消してくれる光になるわけだ。勿論、キャッチライト的な効果を出すこともできる。写真印刷用光沢紙などを使えば、バウンス量がより増える。さらにバウンス量を増やし、正面からの光をゼロに近づけたいときはつや消しシルバーの模型用スプレーなどを使ってシルバーに塗装してやるといい。また、バウンス量を減らして正面からより強い光を当てたい場合は、カッターやはさみなどで切れ目を入れてやるといいだろう。

撮影時は感度(ISO)を高くしてやろう。デジタル一眼レフ内蔵フラッシュは外付けフラッシュにくらべて光量が少ない。天井が低い日本の家庭においても、バウンスさせてしまうとほとんど光が被写体に届かなくなってしまう。ノイズが増えるのは覚悟のうえで、ISO800〜1600に増感して使ってほしい*2

撮影サンプル

百聞は一見にしかず。撮影サンプルを見てほしい。左が内蔵フラッシュを直接当てたもの、右が先の"名刺ディフューザー兼バウンサー"を取り付けて撮影したものだ。バウンサーを取り付けたほうの写真にほとんど影が出ていないこと、ボタン類や衣類などの立体感に違和感がないことなどを確認してほしい。

IMG_5272IMG_5270

IMG_5387IMG_5391
※左右の写真で変えたのはフラッシュの発光量補正だけ。右写真のほうが+1、フラッシュ発光量をプラス補正してある。左の写真も+1すれば同じように写るんじゃないのか、というのは愚問。直接フラッシュを炊いて+1なんぞすると、服やら顔やらが真っ白に飛んでしまって見れたものではなくなる。


たった1枚の名刺で映りがこれだけ変わってしまうのが面白い。写真をうまく撮るには1に構図、2にライティングと言われる所以である。なお、人物写真を撮ればもっと差が良くわかるのだが、適当なモデルがいなかったため割愛するorz

おまけ: 先のカメラ(α707Si)写真を蛍光灯のみで撮影したサンプル写真はこちら。カメラの真上あたりに普通の電球型蛍光灯(60w)を1個ぶらさげて撮影。カラーバランスが白っぽいのはご愛嬌

IMG_5250

追記:広角レンズを使うと、名刺では幅が足りなくなっちゃうので注意。はがきあたりを使ってほしい。もともとこれ、50mmレンズ(フルサイズ機なら75〜80mm)前提で作ったので。17mm(フルサイズで27前後)レンズでこのバウンサ兼ディフューザを使うとこーなる↓orz

IMG_5228

※当然だけどこの写真をベースに影が消えてないだの露出がアンダーだのと突っ込むのはなしね。あくまで広角でとるならもっと幅広の紙を使わんとだめよ、という説明用の画像

※ディフューズ機能を削ったバウンサーについても試作してみた↓ いまいちだったorz
http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/20080926/p2

*1:外付けフラッシュを取り付けるところ

*2:標準レンズなどF5前後で使用する場合