GOC vol.3 Buzzマーケティングに思うマーケティング効果測定の謎

6/8に行われたgoo open conference vol.3 "Buzzマーケティング"を拝聴した。内容をざくぅっ!とサマリすると以下の通り。



Buzzマーケ概要

  • Buzzマーケティングは簡単に言えば口コミ活用マーケティング
  • 昨今、Blog,SNSなどCGMの普及でネットが沢山の個人同士が自身の発信する情報を糊として繋がるメッシュ形態となった
  • Buzzを発生させやすい状況とは
    • 突飛でツッコみどころがある(皆が口にする)
    • 秘めず,売り手の顔が見えること(ユーザ信頼)
    • 語られやすい秘話などの仕込みがあること
    • ユーザ参加型であること
    • クロスメディア展開していること

具体例紹介

  • gooと神戸新聞社がタイアップしてBuzzマーケティングをやった
    • 対象は「神戸洋菓子フェスタ」なるスイーツを食うリアルイベント
  • ネットと紙の連携をトライアルしてみた
    • 紙メディア(新聞等)では従来どおりの「神戸」「スイーツ」などのキーワードを使った広告を掲載
    • ネット側ではオフィシャルBlogを立ちあげ、トラックバック(TB)センター,ブロガーを招いての試食会などの企画を実施
  • 結果的に成功といえるOutputが出た
    • イベント開始直前に目標としていたオフィシャルBlogのPV10000/日を達成,数十のTB,活発なコメント応酬なども見られた。
    • リアルイベントの来場者が例年に比べ大幅増加
    • リアルイベントのスタッフがTBなど活用(お客様の声として)
    • 問い合わせ電話多数
  • 成功した要因は何だったか?
    • いいものを正直に広める、という姿勢を貫いた
    • 情報発信者をリアルのイベントに引き出して顔を見ることで荒れを防止した。ネットの中だけでこちらからの情報を伝え、発信してもらおうとするとトラブルも多い
    • タレントにBlogを書いてもらうなども考えたが、等身大の視線を重要視した(洋菓子好きF1層を招いての試食会→感想エントリUP)
    • コメント・TBを担当者携帯電話に24時間リアルタイムで転送し、密なフォローを心がけた


まぁもっと面白い話もいろいろあったのだが要点をつまむとこんなところだ。で、私が洋菓子フェスタ事例を実際に担当されたgoo藤代さんに質問したのが以下の内容(多少アレンジありw)

で、効果測定どないしたんすか?ww 来場者めちゃ増えたっつぅても、天邪鬼な言い方をすればそれがBuzzマーケティング効果が全てなわけじゃないわけで、もしかすると単にスイーツブームに乗っただけで効果はゼロだったなんて言われても言い返せないじゃないですか...。

...すいませんすいません、タブーを聞いちゃいました。まぁ現状、広告・宣伝の効果測定なんてあってないようなものなのである。これはgooの事例がタコだとかそういう話じゃあない。電○だって博○○だって、テレビCMの効果を測定することなんてできっこない。しかし、ネットマーケティングってのはことネットの中だけに限定すれば、オールドメディア(新聞雑誌テレビ等)を使ったマーケティング活動とは比較にならないほど効果測定がしやすい。どこの地域の人がどの時刻に何人見て、オンライン購買に結びついたのはそのうち何パーセントで...と、事細かにデータが取れてしまう。以前ET研でGoogleのビジネスモデルについて議論した際、某大手広告代理店の人が『これまでは見えなくて当然だった領域にライトを当てられちゃって商売のやり方が変わってきた』なんて趣旨のことを言っておられたが、まさにそのとおりなのである。あくまで、ネットに限定すれば。

問題は今回のようなリアルイベント、あるいはネット販売しないリアル商品のマーケティングにネットを活用するような場合だ。ネットの上ではやれPVがいくらだのTBがいくつだのと具体的な数値が出せるものの、それがリアルの販売数・来場者数にどれだけ響いているかが証明し辛いのである。会社そのものがこういった活動に対して積極的であればいいが、CGMを使ったBuzzマーケティングなんて言い出したらたいがいの大手企業幹部は『なんだそりゃ』と眉をひそめ、そんなものに投資する500万円があればそれで新聞にでも雑誌にでも広告を打てと言うに違いない。なぜなら彼らのほとんどが体験した事が無いマーケティング手法をやろうというのだから。彼らを説き伏せて『あんた達の知らない世界ですげー効果的でかつお客さまとインタラクションできるマーケティング手法があるんだぜ』ってことを教えてやり、実現に必要な決裁書の印鑑と予算を引っ張り出すためには、少々こじつけでもいいので効果を見える化してやる必要があるのだ。

我々家電メーカーが仕掛ける場合は、最終的に対象商品の総販売台数のうち、どれだけがBuzz効果で売れたのか把握したい。こういったモノ売りの場合は、ユーザ登録はがき/オンラインユーザ登録フォームに『この商品のオフィシャルBlogを見たことがありますか?』なんてアンケート項目をつけるなんて手もあるが、そもそもオフィシャルBlog来訪者のうち、オフィシャルBlogを見たという認識がある人がどれだけの割合いるのかも疑問だったりと一筋縄ではいかない。

というわけで藤代さん、次はこのへんをテーマにぜひやってください(w

古典的なアイディアとしてはホットペッパー式の『ネットの割引クーポン印刷してきたら○○サービス』なんて手法でクーポン枚数をBuzzマーケティング効果として使う手はあるが、金もかかるし印刷してこない人もかなりの割合でいるからあんまりスマートな手法とはいえない。コストゼロとは言わないが、あんまりお金を使わずにできる効果的な効果計測手法はないものか...。あ、その昔『入り口で"オタクです"宣言したら○○円引き』なんてやってる映画があったけど、これならBuzzに触れた人の大半をキャッチできるかなぁ。

入り口でばず ...って言ったら消費税分OFFとか(ぉ