Dlavik VMと家電をつなぐ線は家電向けMarket機能の実現手法にある、か!? ※4/6 Androidの会でしゃべる内容メモ

たまにはこういうのもいいかなと思って、外で講演させていただくときのメモを公開するという手に出てみた。講演謝礼を頂くわけでもないし、参加そのものも無料の会なので問題ないと思って。あと、参加したいと思ってもすでに枠が埋まってしまっているようだったので。

お題は下記のとおり、Dalvik-VMと家電の関係について。Android OSの面白いところはやっぱりVMだと思うので、そこにフォーカスをして話をしてみたいと思う。結論からいうと、ケータイでもテレビでも使えるDalvikアプリ、なんてものが本当に実現できるのであれば、それは家電の水平分業化をさらに推し進めることになって大手メーカーは苦い顔をするかもしれないけど面白い未来だよね、という話。


ちなみに超個人用メモなので文体は適当で句読点位置もテキトー、推敲ほとんどしてません。どっかでお話させていただく前日はざっくりこういうメモ作って臨んでますというのを公開する意味も込めて。

お題 : Dlavik-VMと家電をつなぐ線はCE向けMarket機能の実現手法か!?


・今日いう家電はぜんぶ「デジタル家電」だと思ってね

・テレビDVDカーナビケータイオーディオカメラカムコーダーそしてPC、あとその辺の周辺機器類。

デジタル家電の時代になって、ハード勝負からソフト勝負になった。

・具体的にはCPUとメモリと電源回路+各種モジュール化されたデバイス、までは誰でも作れる。そのうえのソフトウェアが肝になってる。

・大手メーカーはやっぱりハード屋さんなので、ソフト差別化がちょっと下手、というか苦手。わかっちゃいるけどそこはコアコンピタンスじゃないよね、って感じなので。で、モジュールの部分で差別化ってのが1つ
 ※ニコンのレンズ、シャープの液晶。

・あとは、ものすごい投資で統合石を1個まるまる起こして小型化、省電力化、みたいなこともよくやる。
 ※panasonicuniphierToshibaのテレビ用石など

・実際大手の強みはそれだけじゃなくて、低コストで10層ビルドアップIVH基板なんてものをさっくり作れてしまう工場力とか、すごい仕上げのできる塗装ノウハウを持っていたりとかまぁいろいろあるんだけどそれはまたの機会に。

・ただ、いい石、いい部品(モジュール)が山ほど出てきて、それらは単一メーカじゃなくて世界中の電子機器製造会社が買うもんだから、家電メーカーが3年に1回とかモデルチェンジして、1メーカーあたり数百万個とかの単位で使ってちゃぁ、ワールドワイドの水平分業(石は石メーカー、液晶は液晶メーカー、みたいな話)についていけない。もちろん自社でごりごりそれらを開発して外部にも売ればいいんだけど、そうなると差別化要素じゃなくなっちゃうよね、と。しかもそれ、セットメーカーの本業じゃないし的な。シャープの液晶みたいなもんで。

・じゃぁ差別化要素って何なんだろうということになって、上に乗ってくるソフトウェアでどういった制御をするのかって話になってくる。勿論、デバイスの組み合わせも大事なんだけど、鉄板の組み合わせが見つかったらみんなそれを使えばいいわけだから半年程度のアドバンテージにしかならない。鉄板コンビを何か月に1回入れ替えられるほど、大衆の「新デバイスへの受容力」は高くない

・でもってOSがオープンソースということになると、ここでも差別化要素はあまりない。勿論カーネルをどこまでチューニングするかとかの勝負どころがなくはないが、本質にはなりえない。

・結果、ソフトのエンジニアを沢山採用したり、コストが安いグループ内ソフトウェア会社を作ったりして、ソフトをごりごり書かせて差別化するぜとなった...けど、ハード屋の意見のほうが強いハード会社なのでなかなかソフトに舵を切れず、いろいろと苦悩中なとこもあるみたい。

・そこへきて「ユーザーメイドアプリが走る家電PF」なるものが注目されてきて涙目、な状態now。TVブラウザはDTV情報化研究会立てて日本TV標準を作ってacTVilaやってみた。でもそれじゃぁ差別化がねぇ?ということでソニーアプリキャスト、Panaはビエラキャストをやってみた。がんばったけど....うーんまだまだこれからだねぇ。という状況はご存じのとおり。課題も見えてるけどそれをやるには色々と体制が邪魔をして...というのが大半。だけど、そもそもハードのPFを一部解放してアプリをどぞーという仕組み自体、家電メーカーは初なのでわからないポイントも多いんだろう。

ソニーSCEでそのへん経験あるはずなんだけどなー、と思ったけど「”ユーザーメイド”アプリ」という意味では経験がないという言い方もできる。PSのゲーム作ってるのはユーザーじゃなくてソフトハウス、れっきとしたBusinessだから。

  ←イマココ

Chumbyがでてきて、iPhoneがでてきて、Androidケータイがでてきた。組み込み機器を通して使用できるアプリレイヤーってのはとっても面白い。家電メーカーにとってはヤなことだらけかもしれないけど。

・話をちょっと変えるけど、PC作るのって儲からない。特にマスを狙おうとすると。タフブックみたいな特殊用途は別だけど。

石はintelnvidia、HDDはSeagateHGSTでバッテリはSANYO、みたいなモジュール組み合わせでは結局メーカーは組み立てと外装デザインしかやってないに等しいから。

そこに差別化要素があんまりないのと誰でも作れちゃうから、そりゃASUSやらDELLやらなんかが出てきてボコスカやられるよねと。

・それと同じモデルにテレビやケータイが行っちゃうとまでは言わないけど、近い状況は来ているなぁと。ちなみにWindowsMobile端末はこれと同じ状況になってる。だから、Androidが開いてしまった扉ちゅーわけではないけど。

・家電の流通は小売店が相当なマージンを持っていってる。PCとは利率が違う。同じ店舗で扱っていても流通ルートが違うのだ。家電売り場で売ってもらおうと思うと家電のマージン払わないとだめ。

◆で、ここから予想。

Chumby互換機...ではないけれど、Dalvikアプリが走る家電ってのはじょじょに出てくるだろう。実際、出したいんだよねとか、既存PFに試作的に乗っけてみた、という話は多方面の会社からよく聞く。

・まずは小さいメーカーから。売り場はPCペリフェラル系になるかも。具体的なメーカーとしてはたとえばバッファローとかIOとかそういうところから。WindowsMobile携帯やPCと同じように差別化要素がそう多くないので、マージン下げざるを得ない。そのへんの交渉事とかが収まるまで、大手は手をださないかも。

・既視感がある人もいるかもしれない。たとえばネットワークメディアプレイヤがそうだったよね。Avel LinkPlayerとか

・ポイントになるのは、CE向けの「Android market」をどういったプレイヤーがやるか、かも。仮称Japan CE applimarket、略してJCAとでもしようか。

各ハードウェアの差とか、許せるセキュリティレベル、年齢制限などメーカーが喜びそうな(必要としそうな)ファンクションをストア機能としてうまく取り込み、かつ開発者がちゃんと付いてくれればいいね。

操作UI軸から切った制限(マルチタッチ、シングルタッチ、カーソルキーのみなど)、必要デバイスの制限(プロセサスピード、音楽再生機能のありなし、動画再生機能ありなし等)、年齢、あと特定メーカーが承認したかどうかのフラグとか。メーカー向けに承認用管理画面とかまで用意して営業にいければ完璧!?

実際のところ、必要デバイス制限はあんまり細かくやっちゃうと1端末あたりで利用できるアプリ数が制限されちゃうので、JCAが「レベル1アプリケーション対象端末の必要条件」みたいに規定しちゃうというのは手かも。DoCoMoのDojaみたいなもんで。で、ソニーとかはJCA規定レベル3のアプリが動くうえに、さらにSONY独自仕様のレベル3プラスみたいなのを規定して専用アプリ配布しちゃったりするんだろうけどwww

acTVilaみたいに家電メーカーがやるといろいろおいしくないし、キャリアがやるってのもないなぁ。

というわけで、家電メーカーが採用せざるをえなくなるようなものを誰か別のプレイヤが作るって絵が最高かなぁ。音楽CDの世界におけるCDDBを提供したグレースノート社みたいに。
 
家電メーカーの採用基準は結構癖があるので、CEに詳しい人が頭張ってこういう仕組みを作ってもらえるとうまく通るかも。


・え、俺はやだよ?wwww(ぉ