コロプラにみる位置情報ゲームの可能性と個人サービスが故の課題

以前GPSを用いたコロニーな生活PLUS(以下コロプラ)というモバイル向けブラウザベースゲームの話を取り上げたが、先日開発者の方にお会いする機会があり、色々なお話を聞くことができたのでその話題でも。

位置情報を使って楽しむ箱庭育成ゲーム

コロプラについて簡単に説明しておくと、宇宙コロニーを題材にしたシムシティというかシムアースというかパワーモンガーというかプリンセスメーカーのような惑星育成ゲームで(イミフww)、ケータイのブラウザ内で全て完結する敷居の低さが特徴だ。他のプレイヤーが育てているコロニーを見たり、育成アイテムをプレイヤー間で売買したり、共同して天災に立ち向かったりすることができるマルチプレイヤーゲームの要素も取り込まれている。そして、GPS基地局情報をゲームにうまく取り込んでいる点が新しく、ケータイ向けサービスならではの要素。具体的に位置情報をどう使うかと言うと、ユーザーの現実世界での移動距離に応じてゲーム内通勤「プラ」がもらえたり、GPS測位した場所に応じた特殊アイテム(お土産)が手に入ったりするのである。そしてこういった゛ハマる゛要素を幾つも備えた結果、特に広告を打ったりするかとなく、同時ログイン数300人OVER、累計会員数約四万人という大サービスとなったサービスなのである。

驚愕の「自宅鯖+ADSL

お話の中で一番びっくりしたのは、自宅のサーバ1台で、しかもADSL回線で運用されているという衝撃の事実だ。さすがに処理能力的には限界を超えつつあるようだが、携帯向けてテキストベースサービスであればこれだけのアクティブ会員数がいても回線はまだまだ余裕らしいと聞いてびっくり。

個人運営は結構リスキー

コロプラは昨今持てはやされている「個人で作るWEBサービス」なわけだが、コミュニケーション系サービスならではの難しい問題もあるようだ。

例えば、某怖〜い団体の人から(いちプレイヤーとして)システムの改修を迫られたことなどもあったという。隣りの国ではオンラインゲーム内の揉め事が原因とみられる殺傷事件が起きたりもしている。会社という盾が無い個人が運営するに当たっては、本ブログではないが徹底的に匿名を貫く、などの対策を講じておかないと冗談抜きで自分や家族の身の危険に発展する、なんて可能性も無視できない。

しかし、先の怖い人からいったいどんな要求があったのかは怖くて聞けなかったが、こわ〜いオジサンが「ワレェ、もっとプラ*1よこさんかいッ!」なんてメールしてきたのだろうか...。

個人の限界と企業の限界の狭間に揺れる

コロプラは位置情報を大変うまく使ったサービスであり、交通機関や地域振興団体とのアライアンスなどで様々にマネタイズできるポテンシャルがあるように思う。だが、個人の限界として、仕事しながらの運営では平日に交渉に出て行く訳にも行かず、またアライアンスに伴う責任を個人が被るのもこれまたきつい。

逆に、企業の限界という観点からみると、位置情報&他プレイヤーとの交流という要素は個人のプライバシーに直結する大変センシティブな組み合わせであり、出会い系サイトと見なされる可能性などもあって、お堅い大企業は手が出しにくい分野である。
モバゲーの「タウン」やグリーの「グリ街」など位置情報を活用したコミュニケーションサービスは増えつつあるが、ゲーム&コミュニケーションというオンラインゲームの本質に迫ったサービスはまだまだこれからの分野。コロプラを超える素晴らしいタイトルが登場し「さすがモバイル大国ニッポン」と世界のマーケターに驚かれるようになることを期待したい。

おわりに

うおー!ソフトバンクケータイも対応してくれー(火暴)




※超多忙でエントリを起こす暇がないので、通勤中にモバイル環境から軽く書いてみることにしたらこんな長文に。ケータイ小説を書く人達の気持ちがちょっとだけわかったきがした

*1:コロプラ内の通貨