ソニー・パナの電子書籍端末が失敗したのは大手家電メーカー故の宿命か!?
電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 - ITmedia News
まぁなんてのかな。メーカーにいた人間としては『ああ、いつものパターンだね(藁』という印象。ブクマコメでも散々言われてるが、まとめるとだめなポイントは2つしかない。
- 妙なプライドと妙なCP仁義切りの結果妙ちくりんにハイスペック・高価格な端末
- CP仁義を切った結果「一般ユーザからすると認知度が低く」 「ネットユーザーからしても魅力的じゃない」みょーなコンテンツしか配信できなかった
といういつものパターン。これってacTVilaビデオもそうだし、その昔の失敗事例でいくとEP放送とかもそうだし、現行でいえばBrancoだったりGyao NEXTだったり。
一般ユーザーの認知度を高めようとすると、CCCさん*1だったりバンダイさんだったりと手を組んで、彼らを敵に回さぬよう、かつ一般ユーザーでもある程度認知度のあるコンテンツを集めたくなる。でも残念ながらネットというインフラに流れてくる彼らのコンテンツは古いか、あるいは既存インフラよりも値段が高いかのどちらか。しかもガチガチのDRMなんでハード側(厳密には組み込みソフト)の開発工数も膨らむ。
ネットユーザーみたく先進的な人を相手にしよてWebだのYouTube映像だのが見れます、みたいなことをすると前述したようなCPさんを敵に回すことになって"跳ねない危機感"が出てくる。やっぱり大手の商品ってのはマスに跳ねてなんぼなので、マスに跳ねる可能性を最初から削っちまうって選択は本当に難しい。
結果、マスでもニッチでもない中間的なところに落ちて、鳴かず飛ばずで終わるという轍を業界で10も20もやってまだあきらめきれていないように見える。
そろそろマスは切ってグローバルニッチでファン層を囲う、というマーケティング・商品企画策に振ってもよさそうなものだが、KindleやiTuneStoreの成功(?)を見てしまうと「いやいやコンテンツを集めてCPと仲良くマスを狙うんだ!」という幻想を諦めきれないのだろう。
じゃどーすりゃよかったの?
電子ペーパーなんぞやめて、独自CPUなんかもやめて、7インチSVGAのデジタルフォトフレームに圧力式タッチディスプレイ*2 or アナログスクロールコントローラーをつけてバッテリは4時間しか持ちません、で15800円。 その代わりBTなりWiFiなりが入っていて夜中のうちにネットニュースサイトとかBlogとかその他DRMフリーのPDFなんかをごりっとダウンロードしてローカルにバッファしといてくれるWebサービスなりローカルアプリなりと組み合わせる端末、ってのが解だったように思う。
まぁ「たら・れば」論なので敢えて多くは語らないが、大手家電メーカーが億単位の投資をして、こんな薄利多売かつすぐに中国・台湾メーカーをバックに従えたネットサービス事業者(ex. yahoo,GMO,etc)が追従する可能性があるマーケットは攻められなかった、ということだろう。
CPを囲って厳重なDRMをかけて独自のコンテンツ配信サイトを立ち上げ、電子ペーパーなどで差別化した重厚長大な端末を開発して価格競争を避ける、という選択肢しかなかったことは想像に難くないが、悲しい現状である。
願わくばこの屍を越えて、DRMフリー音源のごとく大手撤退後の荒地を掻っ攫う面白いスタートアップ・カンパニーが出現することを祈る。
※すいません、ホッピーのみまくってふらふらの頭で勢いで書いちゃったエントリーなので一部語弊がある部分があるかも...。明日冷静になって見ておかしいところがあったら直します