ペイドパブが有効というかペイドパブ記事のほうが一般購入者の記事より有用な事例は多い!?

ペイドパブとは、ブログ執筆者に商品を無償貸与したり、有料施設に無料招待したりして記事を書かせるマーケティング手法のこと。...と、仮に定義する。

で、こういう記事は裏でカネのにおいがするから信憑性に欠けるし、そもそもユーザが自分の意見を言うBlogつぅメディアの基本理念を逆手に取ったケシカランやり方で、知らずに読んで内容を信じちゃう情弱涙目....ってなことになるからよくないよね。という意見が多く聞かれる。

シンプルにいえば「バイアスかかった情報なんじゃねぇの?」と言いたいわけだ。

勿論そういうケースも多々あるとは思う。が、実は無料モニター系、無料招待系ペイドパブは実際に金払って購入したユーザーよりも中立的で役に立つ情報を発信してくれる、というパターンも結構あるはずだ。



どういうことか説明しよう。まず、高価な商品を無償使用、またはもらっちゃう、という場合。

一見すると「よくないけどタダでもらったからいいこと書こう」となるようにも思うが、数万円出して商品を購入した一般の方のBlogのほうが、バイアスがかかっている可能性がある。

スペック表など何らかの事由に基づいて複数候補の中から特定の商品を選択したユーザーは、自分の選択が間違っていなかった、と考えたがる傾向にある。実は自分の選択は間違っていたかもしれない情報をあとから見聞きしても、自己の選択を正当化したがることは自明の理。特に購入直後はこの傾向が顕著だ。結果、Blog上では自らが選択した商品を『いいよ!とってもいいよ!』と宣伝する形になりやすい。商品に厳しいコメントをすればするほど、自己否定に繋がるからである。例えばノートPCを買って、実際に使ってみたらバッテリーが持たなかった、となると「じゃぁもっとバッテリー持つモデルを最初からちゃんと調べて選べよw」となるわけだ。高度に訓練されたアルッファーブロッガァー(笑)な皆様ならば自己のミスを笑って認めて後に続くユーザのために情報を公開する、ということができるかもしれないが、通常はなかなか難しいものである。

逆にペイドパブで商品を無償で貸与されたユーザは、商品に厳しいコメントをしても自己否定につながらない。先のノートPCでは「使わせてもらいましたが、バッテリーがほとんど持ちませんねー。外出先での利用が多い私には向かないかも」で済むわけだ。

先のエントリーで紹介した富士急の鉄骨番長のように長時間並ぶアトラクションなどへの特別招待や、有料施設への無料招待でも近いものがある。


普通2時間待たされて楽しんだアトラクションには、2時間分の自分の時間をかけただけのありがたみがあり、よっぽど酷いものでなければ、なかなか否定しづらいものである。その点特別待遇でさらりと楽しんだユーザからはより中立的な、ストイックな意見が出てくる可能性が高い。勿論、並ぶ際の注意事項や並んでいる時の悲喜交々は実際に並んだユーザからしか出てこない意見ではあるのだが。


というわけで、何万円とする家電のレビューや高額イベントのレビューなどにおいては、『実はペイドパブで書かれているBlogエントリーのほうがより中立的な(あるいは冷静な)評価となっている』こともあり、一概にペイドパブによる行灯記事はダメだ、という結論にはならない。


雑誌やWebメディアのPR記事では出稿社が記事内容を確認して、気に食わないところは片っ端から直させるのでまったくもってレビュー記事としての意味をなさないが、少なくともCyberBuzzやAMNが行っているブログを用いたペイドパブは記事内容に制限をかけないやり方で統一されているので、上記理論があてはまると思うのだ。