CEREVO CAM発売 〜ざっくりと2年の流れを振り返る〜

ばたばたして報告遅くなってしまったが、昨日12月15日にCEREVO CAMを正式発売、お客様に向けて発送することができた。皆様の応援のおかげである。本日(12/16)からお客様のもとに届き始めているようだが、ちょうど下記エントリーを書いてから2年きっかり。これもBlogを見て応援をいただいた皆様のおかげである。感謝!

2年間の流れを振り返る

2007/12/15

松下電器を退職してネット家電を企画販売するベンチャーを起業
ちょうどこのエントリを起こしたのが2年前の2007年12月16日。CEREVO*1としての活動を開始したのが15日だったから、正式発売までジャスト2年ということになる。ちなみにきっかり2年にしたかったから発売を伸ばしたわけではないので念のためw

2008年1〜3月

私がJOINする前からFreescaleのEVMをベースに進めていたのだが、デジカメとしての性能をある程度持たせるため、i.MX31に見切りをつけ、TIのDM355プラットフォームへの移行を決断。マーケティングの観点から社名変更を検討しはじめる。

2008年6月

社名をCerevoに変更し、プレス向けに情報発信を開始。こういう会社があるんだよ、ということを伝えはじめる。CNETさんや日経BPさんといった技術系のメディアの皆様から、Cerevoに興味を持ってもらいはじめるのはこのあたりから。年内の資金調達完了を目指して動いていたため、開発人員の採用も始める。

2009年1月

ネット家電ベンチャーのCerevo、第三者割当を実施--今夏にも製品を発売
で、B2Cの量産ハードウェアを作るにはどうしても初期投資が結構かかる。というわけで2009年1月までを(約1年と1ヶ月)、試作機を作ってベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の方から開発資金を募る期間として使った。丁度2008年秋にリーマンショックが起きて、これはやばいという流れのなか、何とか商品を出せるだけの資金を投資いただいた。

この1年間は無駄だったのかというとまったくそうではなく、ひたすら毎日名刺交換したり飲みやパーティーに顔を出したりして、様々な方と会った。投資家の皆さんはもちろん、今回CEREVO CAMの量産を請けてくださったEXEMODE社長の藤岡さんや、小ロットでの無線LANモジュール供給を快諾くださったPlanex社長(現会長)の久保田さんなどとも、この期間にはじめてお会いした。その上で、このパートナリングならモノがつくれるね、という感触を掴むことができたわけだ。

それらパートナーの皆さんに助けて頂いたとはいえ、TIさんのEVMをベースにほぼスクラッチで開発し、Webもハードもまとめて自分たちで作るという荒行をやっても1億円少々の資金で回る時代になったというのは、改めてハードウェア開発の敷居が下がっていることを実感する。CEREVOに限らず、これから面白いことが色々と起こっていくことだろう。

現在の主要開発メンバーはほぼこのタイミング(2月頃迄)で全員集結。

2009年7月

Cerevoのウェブ連携デジカメ、スペックとデザインを公開--3G接続で「だだ漏れモード」も
その後約半年を経て、CJIC2009というイベントでモックアップと機能を公開。このあたりからtwitterを使って情報発信を開始。より多くの皆様に興味を持っていただくということと、進捗が見えるのでファンの皆様に安心していただけるだろうとの考えから、ものづくりの過程を公開してゆく方針に切り替えた。サーバ側(CEREVO LIFE)が出来上がってきたのもこの頃。

2009年10月〜12月

さぁ秋にも発売かという流れで進めていたものの、様々なトラブルに見舞われ、延期。12月3日に発売を仮置きし、パーティーの会場まで抑えたものの量産用部品が期日までに工場に届かない、量産してみたらみたであれやこれや問題が発生し、結果15日まで伸びてしまった。ご期待いただいていた皆様には本当に申し訳ない。

これから

とはいえ、何とか商品として夜に出せるところまでは持ってきた。ファームウェアの完成度などまだまだ至らない部分も多くご迷惑をお掛けしてしまっている部分もあるが、真摯に対応させていただく予定である。パソコンなどの介在なく、ネットワーク経由で簡単にファームをアップデートできる仕組みをご用意しているので、うまく活用して行きたい。
ハードウェア的には720Pの動画を撮影できるスペックを備えているので、細かいBugFix後は動画ファームウェアに向けて走る予定だ。インターネットと動画撮影ハードウェアの連携はまだまだ発展途上なので、その発想はあったけど誰も実現してなかった、あるいは簡単便利には実現していなかったよね、というところをうまく狙っていきたいと思っている。そここそが、ネット家電屋の腕がなる部分だと思うのだ。

というわけで、まずは御礼とご報告まで。


CEREVO CAMは下記URLからご購入いただくことができる。
直販限定のブラック・モデルもまだ残りがあるので、検討いただければ幸いである。

直販サイトはこちら → http://cerevo.com/

※もっと詳しく色々書きたいが、それはまたの機会に。『ネット家電ベンチャーのつくりかた』という1冊の本ができそうな勢いなので、アスキーさんあたり新書でひとつどうですか(ぉ

[rakuten:cerevo:10000001:detail]

*1:厳密には当時は別の会社名だったが後に社名変更