来るべきオンラインゲームへの布石は磐石!? Wiiのネット接続率は「高い」

先日行ったWiiのネット接続率調査だが、非常に面白い結果が出ているのでご紹介したい。オンライン対応ゲームがまだほとんど数が出ていない状況にもかかわらず、非常に高いネット接続率を示しているのである。

はてなアンケート結果: ネット接続率38% (250人中96人) 女性に限ると32% 男性に限ると41%
FPNアンケート結果 : ネット接続率84% (120人中101人)

面白いのは接続動機だ。どちらのアンケートもダントツ1位の接続理由が『特に理由はないが接続機能があったから』で実に接続者の40〜45%。『ファームウェアのアップデートのため』が約20%で続き、『インターネットのWebページを見るため』が3位につけているのも変らない。ニュースや天気予報といったニーズはあまり高いものではなかった。

はてなのほうでは質問を細かく設定できたため、非接続者に対しなぜ接続していないのか?を聞いてみたところ『面倒くさい(手間に対するリターンがない)』がダントツ。非接続者の実に7割近くが理由に挙げていた。ネット接続することで得られるメリットが周知できていないだけなのか、魅力的なメリットを提案できていないだけなのかが興味深い。意外だったのは『やりかたはわかるが接続手段が無い(無線LANを持っていない、電波状態が悪い、自宅にネット環境がない等)』を選んだ人が10%にも満たなかったこと。ネット家電を企画すると決まってリビングルームへのLAN引き込み率、無線LAN普及率なんかが話題にあがるのだが、接続したいけどできない、という人はそれほど多くはないのかもしれない。あるいはWii接続のためにカンタンに環境を準備してしまえるほど、接続性という敷居は低いものだった、という可能性もある。

家電メーカー的視点で興味深いのは『接続すると金がかかりそうだから』『難しそうだから』『セキュリティ面で不安がある』などの回答も5〜10%程度とはいえ選択したユーザがいたことだ。このあたりはネット接続するハードウェア共通の課題と言えるだろう。パッケージに"誰でもカンタン!セキュリティも万全! 今Wiiをネットに繋げば1000円キャッシュバック"なんて書いておけとでも言うのだろうか。


異論反論オブジェクションあるだろうが、個人的に今回のアンケートから断片だけでも読み取れたことで目についたポイントは、売れている層(コアなゲーマーではなくわりと普通の人たちで、かつファミリー層が多い)、推察される設置場所(リビングが主だろう)、まともなオンライン対応ゲームがまだほとんど出ていないという3点の不利な要素を持ちながら、非常にネット接続率が高いということである。コアなゲーマーであればオンラインタイトルのプレイ,ハイスコアのワールドランキング登録などの目的で接続することもあるだろうが、そういった層でもない。子供部屋や書斎への設置が主であるハイスペックPCのような性格のゲームマシンと違って物理的な接続の壁もある(リビングまでLANがきてない、WiFi環境がない、など)。そんな環境下において、Web閲覧機能やニュース、Wii Connect24機能のなんとなくの訴求(?)などにより、これだけの数値が出ているというのは大変興味深い。

ゲーム機なんだけどゲーム目的じゃないところでネット接続していることがわかった点は大きな収穫だ。そして、この接続率は今後任天堂や3rd partyソフトベンダーがWii向けにオンライン対応タイトルをローンチするにあたり、強力な武器となることだろう。来るべきオンライン対応ゲームの下地作りとして、あの手(InternetChannel)この手(投票Channel)でネット接続者数をじわりじわりと増やしつつある、という状況だろうか。来るべき対応ゲームというのがヘルスパックなのか、はたまたSquareEnixクラスの大手ソフトベンダが投入する大作なのかはわからないが。

「オンラインでこんな楽しいことができるゲームがあるなら繋ごう」というユーザも勿論いるだろうが、「オンライン?つないでない or つなげない or つなげなさそうだから(このソフト買うの)やめとこう」というユーザも数多く居る。後者のユーザ数を予め減らしておくことができれば、マーケティング策的には大成功と言えるだろう。




一部の方からは、はてなアンケートはITリテラシーがめちゃくちゃ高い人ばかりが回答しているのでは? という懸念をいただいた。まぁ正直そればっかりははてなの中の人に聞いてくださいとしか言えないが、個人的には『はてなブックマークはてなアンテナとは違い、人力検索は意外に普通っぽい人も多いんじゃ?』という意見。なぜかというと、q.hatena.ne.jpから本Blogに来てくださる方々をアクセス解析で拾って見ると、b.hatena.ne.jpやa.hatena.ne.jpと比べて明らかにIE利用者率が高いからだ。b.hatena.ne.jpからのアクセスは半数以上がFireFoxだが、q.hatena.ne.jpからのアクセスは実に7割がIE(6と7あわせて)である。はてなのポイントは楽天TSUTAYAのポイントに置換できることもあり、懸賞好きの主婦層などもそれなりに含まれているのではないか、という推測をしている。実際、本アンケートの回答者も1/4以上が女性である。

参考: http://q.hatena.ne.jp/1172009932/report?x=h_sex&y=q01

あと、オンライン集計で接続率30〜40%という値が出ているからといって実際そこまでの数値が出ているなんてこれっぽっちも思っちゃいない。オンライン集計におけるこの手のアンケートのバイアスは凡そ織り込み済みだ。実質は接続率約15%といったところだろう。それでもこの数値は驚異的に高い、と言いたいのである。あまり細部の数値に言及すると会社から怒られそうなのでこれぐらいにしておくが、リビングルームに置くPC(と、ケーブルテレビSTB)以外の機器でネット接続率約15%というのは、それほどすごい数値なのである。

しかし、はてなのアンケートって初めて使ったんだけど、結果をCSVファイルとかでもらえるわけじゃないのね・・・。ちょっと残念。
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