ネットを生活のツールにする「ネット達人」の生息率は東京が圧倒的!?

京都・奈良・大阪から東京に出てきて、また地方に出張に出て行って感じたのが"東京はネットを使いこなしている人が(日本の中では)ずば抜けてに多い(絶対数というよりは比率的に)"ということ。勝手に作った造語を使わせてもらうと、「東京はネットの達人が多いなぁと感じる」のである。京都や大阪と大差ないだろうぐらいに思っていたのだけれど、超えられない壁があるんじゃないかというほどに違う印象だ。それを裏付けるかのようなデータが下記Blogで紹介されている。

Amazonユーザの都道府県別分布
http://lsty.seesaa.net/article/90427113.html

ただ東京の多さはちょっと異常で、偽装している人も多いのかな?と思う

エントリ中で上記推測意見が出てくるが、私は『東京のネット達人率の高さはこれぐらいあって当然かも』と感じる。


ここでいう「ネット達人度」とは、FTTH/CATV/ADSL回線の世帯普及率の話でもなければ、PC経由Web利用者数の話でもない。生活のツールとしてネット経由コミュニケーション/Web閲覧/ネットショッピング等を活用している人かどうか、という話である。よくあるアンケートなどで「ネット通販を利用したことがありますか?Y/n」なんてのがあるが、1度使ったことがあるかどうかではなく、生活のツールとなっているかどうかが重要なのである。地方ではこういう人たちの"ネット接続人口に占める"割合が低いなぁと実感する。

地方だと本屋が遠いからAmazonを使うんじゃないかという予測をしている人もいるようだけれど、ネットでものを買うことが習慣づく(生活のツールとなる)というのは相当なネット達人のみがこなせるワザだ。こんなマイナーBlogを読んでいるようなネット達人の皆様には想像もつかないようなことかもしれないが、それが今の現実。ネットでしか買えないものや、ネットとリアルで大幅に価格差があるものであれば、通販を利用する抵抗が少なくなってきた。だが、ネットで買うことのメリットが"手間"にしか見出せないような商品となると、リアル購買からネット購買にシフトすることは長い時間がかかる。いまだクレジットカードを日常的に使うことすら躊躇している人たちが五万といるこのニッポン、本屋が遠いとか大きな本屋がないなどの理由で地方都市のほうがAmazon利用率が高くなる、なんて日はまだ当分来ないのだろう。


北米ではAmazonなどでDVDのダウンロード販売が始まっているが、これを「日本と違ってレンタルビデオが普及していないからだ」と見ることもできる。当然ながらレンタル店までの距離などの地理的要因を含めたレンタルビジネス普及の有無を無視することはできないが、日本でこういったものが流行らないのは『ネットで買う』という文化そのものに到達しきれていないように思うのだ。逆に言えば、オンラインでものを買う文化がもっと定着すれば、日本でもVODが大きなビジネスになる可能性が高い。

決済システムとしてEDYがないからだとか、ケータイ課金ができるべきだ、といったテクニカルな話をする前に、そもそもオンラインでもっとモノを買おうよ、買ったら便利で幸せだよ、ということを訴求することからはじめてみてほしいものである。

もっとも、こういった生活習慣を変えましょう的プロモーションは短期的な費用対効果が非常に見えにくいことから、予算を通しづらい性格であることは理解できるのだが、そこは楽天さんあたりが全社方針として資金をつぎ込んでやってほしいなぁ...。



※最後本業寄りの話にちょっとだけ振ると、日本で家電製品がネット経由であんまり売れないのは設置・設定のサポートを受けられないから、という要素も大きい。アメリカなどではDo it yourselfが基本であり、できない男はダサイ!....というか男ならできて当然的な風土があることから、この設置・設定の課題をうまくクリアしてネットで家電を売りやすい土壌が出来上がっているのだろう