費用10円時間10分。コピー紙3枚で劇的に綺麗な小物写真を撮る方法 〜簡単自作ライティングボックス〜

以前、200円で小物写真綺麗に撮ろうぜ!と撮影ボックスを自作してみたのだが、かさばるのとせっかく作ったので捨てれないのと、外出先で綺麗な小物写真を撮りたい時に使えないので色々残念に思っていた。そこで、どこでも手にはいるA4コピー用紙3枚+セロハンテープで何とか同等のものが作れないかとTryしてみた結果、良いものができたので紹介したい。

百聞は一見にしかず、まずは撮影結果をば。

自作10円ライティングボックスで撮影した鶴屋さん
庶民的な家庭には一家に一体はいるであろう、鶴屋さんフィギュア

リボルテック・セイバー、A4用紙3枚で作るライティングボックスにて撮影
これまたどこのご家庭にもある、リボルテックセイバー

Magic N5 yoyo
おもちゃを少々。MAGIC N5という中国製ヨーヨー


どうだろう。別に写真撮影が得意なわけではないが、それなりに撮れてるのはおわかり頂けると思う。で、撮影シーンの全貌なのだが....見たら、悲しくなるほどシュールな環境である。
A4用紙3枚で作った撮影ボックス
これはないよねwww という見栄えなのだが、それでも上記程度の写真が撮れるのである。その秘密はどこにあるかというと、光を通すけど、拡散しながら通す、という薄紙独特の特性にある。光をそのまま被写体に当てると派手に影が出てしまい、素人写真っぽく写ってしまう。そこで、光を拡散&乱反射させつつ被写体の各所にまんべんなく当てることで影ができることを防ぐ...というのが、この手のライティングボックスの機能である。そこで、側面・上面ともにA4用紙で光を遮りつつ拡散させればこの通り、変な影のない綺麗な写真が撮れるというわけである。

コツは必ずセロハンテープを使うことと、余計な明かりを消したうえで照明を真上から当てること、そして三脚等でカメラを固定し、セルフタイマーを使って撮影すること。絶対にやってはいけないことは、照明を正面から当てることだ。

どうしてセロハンテープ?

A4用紙の接続には必ず透明なセロハンテープを使う。安っぽく見えるが、ビニールテープやガムテープ、ホッチキスなどを使うと、これらが影となって写りこんでしまう場合があるからだ。セロハンテープは透明で光を通すため、こういったトラブルを避けることができる。

どうして照明を正面から当ててはいけないの?

先のライティングボックスの全景写真をよく見てほしい。前面以外からの光は全てコピー用紙を経由して当たるため、拡散されて柔らかな(影が出にくい)光となって被写体に到達する。だが正面はカメラで撮影しないといけない関係上用紙がない = 光が拡散せずに当たってしまう。 なので、正面から光を当ててしまうと何のためのライティングボックスなのか、という話になってしまう。

余計な明かりを消すってどういうこと?

昼間に窓から光が差し込んでいたり、撮影用ライト以外のランプが点いていたりして、上面からの光以外の光源があると、その光がライティングボックスの弱点ともいえる正面から入ってしまい、影を作ってしまう。また、ホワイトバランスを狂わせる原因にもなる。窓のある部屋なら夜に撮影する、余分な照明があるなら消して撮影するといった対策が望ましい。

どうして三脚&セルフタイマーなの?

部屋の明かりを消して撮影用ランプだけにした上で、A4用紙を経由することで光が弱まる...というシチュエーションでは、どうしても光の量が少なくなり、長いシャッタースピードで撮影せざるを得なくなる。当然、三脚がないと手ブレしてしまってマトモな写真は撮れない。そんな時は三脚に取り付けた上でセルフタイマーを使って撮影したい。セルフタイマーを使うことで、シャッターボタンを押した瞬間の揺れが収まってからシャッターを切ることができるのである。特に、3000円以下の安い三脚を使っている方は必ずこのテクニックを使ってほしい。

作り方

A4用紙を適当に折って作ればおk。....という程度のものなのだが、一応写真にて。
まず1枚目のA4用紙を半分にカット。
IMG_2284

続いて2枚目のA4用紙(カットせず)を出して上記図のようにセロハンテープで接続。
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接続後、カットしたほうの用紙端1cm程度を折り曲げておこう。
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もう1枚のカットした用紙も同様に端1cm程度を折り曲げておく。
u3

ふにゃふにゃとして組み上げにくいが、写真のようにすべり台状に組み立てる。中央部はなめらかな曲線になっていないと影ができるので注意したい。この段階では自立しないぐらいのフニャ度だが、問題ないのでそのまま放置。
u4

A4用紙(3枚目)を出してきて、このように折って蓋にする。
u5

最後に蓋を被せて完成。蓋が剛性を確保してくれるので自立しなかったすべり台部も自立するようになったはずだ。
u6

限界と強み

A4のコピー用紙3枚で作ったこのサイズでは、タバコの箱やコンパクトデジカメ、マウス程度の大きさのものを撮影するのが限界。フィギュアだとリボルテックシリーズがギリ。とはいえ、オフィスや誰かの家などでも簡単に作れる材料のため、誰かに写真撮影を頼まれた時にぱぱっとつくってハイクオリティな静物写真を撮れる強みは大きい。騙されたと思って一度作って、試してみてほしい。

尚、今回の写真(製作説明部除く)は全てタムロン 90mm F2.8マクロ 172ECanon EOS X3で撮影した。光源は180wの白熱灯1灯のみ、ストロボは使わず。正面の光量UPに銀レフを1枚だけ使っている。

お金があったらキットを(w

とまぁ色々書いてきたけど、金を惜しまない方、自作に燃えない方、手っ取り早く結果がほしい方は下記のような専用品を買うべき。ただ、結構いいお値段するので、まずは自作ライティングボックスで試してみてからでもいいのかもしれないが。

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