アクトビラ vs Wii戦 「安心安全でもつまんない」と「楽しいけどちょいヤバげ」ならユーザがどっちを取るかは明白だ

「安心安全、でもつまんない」の代表例『アクトビラ
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061002/tvps.htm

共通プラットフォームであるテレビポータルがコンテンツを審査し、クリアしたものが配信される。「安心、安全な情報のみを提供するクローズドなサービスになる。サービス開始当初、画像とテキストによるサービスのみ提供。

VS

「楽しいけどちょいヤバ」の代表例『Wiiインターネットチャンネル
http://wii.com/jp/movies/internetchannel/

Googleでウェブ検索できます
Google Mapsも見れます
Flashビデオも見れます(≒YouTubeも見れます)


...リビングのTV画面をめぐって、亀田ランダエタ再戦並みに結果明白な戦いが今、始まる(ぉ

さて、ケータイInternetですら公式サイトによるWalled Garden Modelをやめたところだというのに、いまさらこの時期からWalled Gardenとは、一体どこに勝算があるのだろうか。恐らく、2.0型メディア,2.0型コンテンツの普及によってユーザのコンテンツに対する意識そのものが変わってきているにもかかわらず、こういった取り組みをやっている方々にはその「変化」を感じ取れていないのだろう。

ケータイメール,PCメールへのSPAMの数々、違法コピー映像が並ぶ投稿サイト、炎上するBlog、誹謗中傷嘘八百を書き連ねた掲示板、無修正画像だらけのエロサイト、コンピュータウイルス、オークション詐欺、出会い系サイト....。一昔前であれば品行方正な一般人からは縁もゆかりもなかったようなダーティ・コンテンツが身の回りに溢れてかなりの時間が経った。そしてユーザは嘘を見分けるスキルを持ち、誹謗中傷に慣れ、CGMに代表される2.0型メディアを本能的に理解できるようになった。例えて言うなれば、劣悪な居住環境に慣れ、無菌室でなくても生きられるスキルを身に付けたのである。そうなったが最後、無菌室に戻りたがるユーザはいない。外の世界には無菌室では味わえない楽しみが星の数ほどあるからだ。

今日、大多数の日本人が無菌室外での生活スキルを身に着けた状態である、と言える。が、アクトビラは『外の世界はコワイゾー。僕たちゃ日本最大・日本で一番楽しい無菌室を作るんだい!汚い所で生活するスキルがない人、オイデオイデ』と言ってるわけだ。無菌室外での生活スキルを持たない日本人の数は減る一方であり、一度無菌室を出てしまえば誰も戻りたがらない。大々的にプレス発表したようだが、どう考えても先細りの戦略なのである。某掲示板風に書けば

「楽しいけどちょいヤバげ」>>>(超えられない壁)>>>>「安心安全でもつまんない」

てなものである。TVを点ければまず繋がるポータルサイト、というボトルネックはしっかりと押さえるが、その先はオープン・インターネット上のあらゆるコンテンツに繋がっているのでどうぞお好きなところへ行ってくださいまし、というスタイルなら、まだある程度普及する可能性があると思うのだが。おっと、それでも入力デバイスがテレビ用リモコンのままじゃぁ、累積接続ユーザ数は増えれどもアクティブユーザ数は一向に増えてこないことだろう。その点Wiiのレーザーポインター風に使えるコントローラーは実にWebアクセスに適している。

...アクトビラ側のこれがすごい!と言えるポイントが1つも無い*1というのは、家電メーカーの一員として何ともふがいない。が、悲しいけどこれ(リビングの主役を巡る)戦争なのよね。

*1:実際には、DTVベースのブラウザは非常にクリアな画像・文字を提供することが可能であり、可読性・美しさという点ではハイデフ表示に対応していないと言われているWiiに対する唯一のアドバンテージとなる。