松下電器を退職してネット家電を企画販売するベンチャーを起業
クリスマスが近付いてきたので告白ターイム! ...というわけではないが、本blog「キャズムを超えろ!」 は松下電器産業株式会社の中の人が書いていました。一昨日(14日)まで。
松下電器には約5年勤務し、ネット家電向けネットワークサービスを得意とした企画職を5年ばかし担当していた。ハードディスクレコーダー向け宅外予約サービスを作ったり、某家電向けSNSを作ったり、はたまたテレビ向け某ネット機能を企画してみたり、といったちょっと風変わりな仕事をやっていた。
会社を追い出されたわけでもなく、喧嘩別れしたわけでもない。とにもかくにも松下電器でのネット家電サービス企画業務は楽しかったし、中の人たちともとってもうまくやれたように思う。
入社した理由は「家電とネットがもっと近付いて、ネット利用者の生活が豊かにになってほしい」というものだった。自宅のPCはVNCで簡単にリモートコントロールできるのに、ビデオデッキに外出先から予約を入れられないのはナゼ? PCだとCHATしながらTVが見れるのに、TVではどうしてそういうことができないの? 自宅のPCに来ていたメルマガをカーナビから読めないのはなぜ*1? 学生ながらの素朴な疑問を商品にするべく入社し、幾つかの想いを実現できたことは大きかった。
しかし、松下電器に限らず大手家電メーカーにとって"ネットに繋がっていることが前提の家電"をゼロベースで思考することは想像を絶する難しさだった。また、既存家電の形状・UIを大きく見直すことも、これまた社内調整だけで年単位...という状況。もちろん、大多数のラガード・ユーザーと会社にとっては大きな問題ではないのかもしれない。実際人口比なんかをみても、団塊世代向けにビジネスやっていればそうそうまずいことにはならないのだから。
だが、このWeb時代に生き、PCや携帯を使いこなす新しい世代のユーザーにとって、家電メーカーが「ネットやPCと縁の薄い人たち」ばかりを見てビジネスをしている状況は幸せとは言えないと考えた。
ネット世代...なんて書くとWeb2.0(笑) みたいで恥ずかしいが、そういった世代の人間が集まって、ネット×家電で生活をもっと便利に・豊かにできないか? そう考え出したのが2年ほど前から。そのときは松下の中でそういったプロジェクトを起こせれば、などと考えたりもしていた。
そしてBlogを書き始め、自分の意見を公開し、色んな理由をつけては東京出張してきてあらゆる人に会った。きっかけはワクワク経済研究所の保田さん&マイネットジャパンの上原さんだったか。 彼らと会って、年は違えど「ネット世代」の人たちと話をするなか、「ネット×家電で生活をもっと便利に・豊かにする」という大きなお題に対して私ができることは何か、考え続けていた。
家電向けWebサービス会社をやることではないだろう、というのはすぐに気づいた。ミドルウェアなどを提供するのもだめだ。需要もないのに家電メーカーが採用する筈がないのだから。やっぱりハードとWebサービスを両方提供するスタイル(ex. iPod&iTuneStore)でなければユーザーに新しい「ネット×家電体験」を提供することはできない。でもそれには莫大な立ち上げ資金が必要だから...と、途方に暮れかけていた。
そんな中、とあるプロジェクトからアドバイザーとして声がかかった。ネットベンチャー企業とベンチャーインキュベーターでジョイントベンチャーを立ち上げ、とあるネット家電を作れないか、という相談だった。<中略>
ということで来週よりネット家電に特化したベンチャー企業をはじめます。どういったプロダクトになるかは、暖かくなる頃にはご紹介できるかも。繰り返しますが「ネット×家電で生活をもっと便利に・豊かにする」をスローガンとして突き進みます。ネットと家電の間にあるキャズムを飛び越えてみせましょう。
※中略してしまった部分はまた改めてw
写真は松下電器にて最後に所属していた部署の直属の上司であるR氏から送られた励ましの品。スパークリングワインで、ヴーヴ・クリコ(Veuve Clicquot Ponsardin)のアイスジャケットつきだ。され、これからお気に入りのブルーチーズと一緒に頂くとします。R氏はじめ松下電器の皆様には大変お世話になりましてありがとうございました。
*1:特集されてた店の名前をコピペしたかった!