水没した携帯電話の完全復活に成功! その手法を紹介(便所ケータイ復活劇!)

※"携帯電話 水没"で検索すると真っ先に出てくるGIGAZINとNo mobile No lifeの記事「無水アルコールを使う方法」はケータイを壊す可能性が高いので注意!!

先週の金曜日、酷い事件が勃発した。いつもどおり朝、便所に行ってBig Benを打ち鳴らしつつメールチェック。メール終了後、ケータイをズボンのポケットに入れてティッシュを手にとり、立ち上がりつつズボンをサッと引き上げた瞬間に「がちゃん、ドボン」の音が...。それはそれはどうしようもないぐらい悲しいところにケータイが埋まっていた。すばらしく早い判断で拾い上げたので、浸水量はたいしたことがなかったはずだが、何せ場所が場所。汚水にまみれながらも、以下の手順で復活の儀式を行った。

  • 引き上げる際、ボタンに指が触れないよう注意(ボタンに手が触れて待ちうけ画面が表示されるなどして液晶その他周辺回路に通電すると、その瞬間液晶が死んだりする)
  • 1秒でも早く引き上げる
  • 汚いのを我慢して1秒でも早く電池パックを外す。続いてSIMカードをはずす。この作業が早いか遅いかで死亡率が結構違う
    • 以下のステップはバッテリーを入れたままだとバッテリー故障、最悪はバッテリーの膨張・爆発などの可能性もあるので絶対にバッテリーを外すこと
  • クリーンな水道水に漬けてしまった場合を除き、水道水できれいに洗う。中にも積極的に水をいれる。とにかく泥水や汚水、その他不純物が多い水をきれいな水道水によって押し出す
  • カバーというカバーをあけ、タオルでくるんで振り回し、内部の水をなるたけ出す
  • ドライヤーの熱をあて、全体の温度を上げる(手で触れるレベルを絶対に超えないこと)
  • 扇風機を「強」にして直近から風を当てる
    • これをまる2日続ける
  • その間にSIMカードを古い機種などに差してみて動作テスト。SIMカードが死亡していないことを確かめる。
    • 死んでいたらショップに持っていって交換してもらう
  • 途中何度かドライヤー熱攻撃を加える
  • 液晶画面に曇りがなくなったことを確認する
  • さらに1日放置。なるたけ暖かい場所。今回は常時稼動しているサーバマシンの排気口付近に置いた。人肌かそれより少し暖かい程度の温度。サーバマシンがない人は、電気あんか、電気カーペット、コタツなどを引っ張り出してくるといいだろう。作業用ハロゲンランプが手元にあるひとなら、距離を調整してハロゲンを当ててもかまわないが、くれぐれも触れる程度の熱さを超えないよう注意。ためしに10円玉を置いてみて何度ぐらいになるか計ってからやるべし(銅は熱伝導性がいいので反応が早くわかりやすい)


復活したら、真っ先にデータのバックアップを行う。電話帳、写真、アプリetc。最近の機種ならSDカードにBackupできるはず。水没ケータイはいつぶっ壊れてもおかしくない。最悪の事態に備えてひたすらバックアップ。

再利用をはじめたら毎日のようにデータバックアップを行う。1,2週間バックアップしながら使ってみて問題がなさそうであれば安心してもいいかもしれないが、水道水に含まれていた不純物などがPCB上に残って腐食、故障する可能性も捨てきれないので早めの機種変更をお勧めする。

ポイントは?

温度を高く保つこと。そして、温度を上げすぎないこと。80〜90度とかまで持っていくと相当な確立で壊れる。35度以上60度未満ぐらいをなるたけ長く保てると理想的。ケータイの動作保障温度は40度以下であることがほとんどだが、バッテリーを外していれば40〜50度程度はたいして問題にならない。

あと、当たり前だが72時間以上経つまでは電源を入れてみようとは絶対に思わないこと。やりたくなるのはわかるけど、ダメ、ゼッタイ。

無水アルコールに漬ける方法は?

中の配線やら液晶ディスプレイの組み立て工程などを知ってる身からすると、これは諸刃の剣...というか捨て身の戦法。水没後1,2時間以内に電話帳データを復旧させないと大きな損失が出る!(超絶大事な商談があるのに電話番号がわからない等)という状況であればアルコール作戦が唯一にして確実な手段となる。

が、高濃度のアルコールに漬け込むとあっというまに内部の樹脂や接着剤の類が溶け出してしまうため、カメラ・マイク・スピーカー・液晶あたりがダメージを受ける可能性が高くなる。時間があるなら「水道水で綺麗に洗ってとにかく温度を上げて乾かす」方法を使ったほうが、復活後のケータイを使い続けられる可能性が高くなる。



もっとも、水没した瞬間によろしくない場所がショートして復旧不能になっていることもあるので、その場合は運が悪かったとあきらめるしかない。それを判断できるのが3日たって電源を入れるそのときだというのが、何とも悲しい事実なのだが。


ま、こうなる前に防水ケータイケースを買っておきましょうという話なのではあるが。プールや海にいくときはご注意を!
[rakuten:webbymono:10059677:detail]