商品写真撮影にも使える!200円静物撮影ボックスにさらに200円追加して影のない美しい静物写真を撮ろう

消費税入れると厳密には210円なんだけどまぁ気にしないでw 以前ご紹介したら1700ブクマとかすごい話題にして頂いた「和尚式撮影ボックス」だが、これに100均アイテムを2点追加するだけで影をほぼ完璧に消した美しい静物写真が撮れますよ、というハナシ。

百聞は一見に如かずということでまずはサンプル写真を。上部照明(トップライト)が1灯、下部照明(ボトムライト)が1灯、合計2灯での撮影である。ホワイトバランス取れてねーよとかそういうツッコミは本題ではないのでなしの方向でw
こういう複雑な形状は必ず下部に影が出るもの。そこを下部照明で打ち消してやるとこんな写真が撮れるというわけ。
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では影消し対策をしなかったらどうなるのか? 同じアングルの比較写真を作ってみたので見ていただきたい。上部からの1灯照明のみで撮影したものである。それでも「和尚式撮影ボックス」のディフューズ効果で相当影を薄めてはいるのだが、どうしたって1方向からの照明だとこのような影は出てしまう。これを打ち消して上記のような影のない綺麗な写真を撮ろう、というのが今回の目的である。
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それでは具体的な方策についての説明を進めていこう。照明器具をもう1つ用意する、という以外に必要な100均アイテムは以下のとおりである。

100均で買ってくるべしなアイテムその1: この手のどこにでもあるプラスチック製半透明バスケット。

100均で買ってくるべしなアイテムその2: 乳白色の使い捨てまな板


あとはバスケットの取ってを外して逆さにし、撮影ボックスの被写体置き場の下にレイアウト。光を拡散するためのまな板をバスケットの上に敷き、上部照明とは別の照明を用意してバスケット内にほうりこむだけ。ちょっとわかりにくいので写真で説明する。

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↑これがベースとなる撮影ボックス(作り方はこちらのエントリ参照

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↑こんな感じで被写体置き場の下にバスケットを配置、バスケット上に使い捨て乳白色まな板を重ねて準備完了

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↑上部照明をあえて消して下部照明だけつけると、被写体置き場が下から照らされているのがよくわかる

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↑上部照明とあわせて点灯すると、下部照明はあまり目立たない。が、これがキレイに影を消してくれるのである


..........簡単でしょう? まぁ、騙されたと思って200円(税込210円)払って試してみてほしい。きっと美しい静物写真が撮れてびっくりして頂けるかと思う。コツは照明を『ちょっと離し気味に当てる』こと。ボトム・ライトはあまり強く当てるとお化けライトになってしまう。お化けライトとは、懐中電灯をアゴの下から当てて『うらめしやー』とやる、あれである。下からの照明が強いと、お化けのようなおどろおどろしい絵になってしまう、ということ。もし下部照明が強力すぎるなと感じたら、照明から撮影ボックスまでの距離を遠ざけるか、コンビニの乳白色ビニール袋を2重か3重照明器具に巻いてやるといい。*1


下部照明を買う際には上部照明と色温度をあわせるのを忘れずに!
失敗すると下記イングラムの写真のように上部(あるいは下部)だけがピンクがかったりします。
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最後にシュール*2な影消し写真例を挙げて締めたいと思う。もちろん、左が影消し用下部照明ナシ、右があり、である。こうやって比較すると違うよね、というのがよくわかると思う。
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....追記。ここまでずっと影消しについて話を続けてきたものの、下部照明は何も影消しのためだけではない。下記、遠坂凛の写真をみてほしい。左がトップライトのみ、右がトップライトに加えてボトムライトを少し当てたもの。右側のほうが艶やかというか、いきいきとした感じで見えはしないだろうか。こんな感じで静物写真撮影においてボトムライトは影消しだけではない効果が得られる。たった数百円、ぜひ一度トライしてみてほしい。 ※本作例においてうっかり左はF6.3、右はF13で撮ってしまったのでApple2Appleになっていないが、そこはツッコミご容赦いただきたい

遠坂TOPライト遠坂凛 トップライト&ボトムライトの2灯で撮影
※本エントリ内で紹介した写真作例はすべてTAMRON SP AF 90mm F2.8 172Eを付けたCanon EOS Kiss X3にて撮影

*1:白熱灯だとビニルが溶けてしまうので、LEDや蛍光灯といった低発熱電球を使ってほしい

*2:シュールという言葉の典型的な誤用例だが、あえて使っているのでツッコミなしの方向で