就職活動中の迷える子羊をナビゲートする強化月間

もう3月も結構進んでしまったのでチョイ遅いかもしれないが、家電とかITとか組み込みとかモノづくりとかWebサービスとかなんかそのへんのぼんやりとした就職活動を考えている学生・第二新卒をターゲットにした情報発信を中心に行う月間と勝手に位置づけていろいろ発信してみたいと思う。

2002年1月〜5月あたりでリクスー着てシュウカツしていたのだが、びっくりするぐらい「世の中の仕組み」「ギョーカイの仕組み」みたいなところがわかっておらず、いろいろと無駄足を踏んだ。結果論だが、無駄に終わった説明会・面談、行かなかった業界を志望する他大学の学生とのコミュニケーションは大変有意義だったし、それは今の生活にも生きている。

ただ、やっちゃまずいよなー、というのは「Bという仕事をやらせてもらえる」と思い込んで入った会社・部署でBとは別のことばかりやらされていて、話が違うじゃないかよー、というパターン。会社がうそついた、というよりは本人が深く調査・判断しなかったことに起因する場合だ。実際会社入ってから学生さんと話をする機会があると、このへんがズレてるよなぁと思うことが多い。「それやるならXX部じゃなくてYY部でしょー。てゆーかむしろウチの会社ですらないしw」みたいな。


学生当時のことを思い出すと確かに当時のリクルーターや面接官の人が「Bという仕事やるならXという部署のほうがいいよ」とか「うちではやらないからYというグループ会社のほうがいいよ」なんてことを言っていたのを思い出す。わかっていなくて当然なのだが、それがわかっていないと効率的な就職活動は不可能というこの理不尽さ。高校入ったぐらいから、世の中本当に知っておいたほうがいいことって誰も「知っておいたほうがいいよ」と教えてくれないもんなんだなぁということを学んだ。シュウカツの場合は特にこれが顕著に見えた。


というわけで、中長期的には自分が経営している会社にいい人(本人の希望とこちらの希望がマッチしている人)が来てくれるように、短期的には悩めるシュウカツ中の諸氏の支えになればと、シュウカツという切り口で一部IT業界の話を伝えていければと思う。相手が面接官やリクルーターだとどうしても「それって本心で言ってるのか?」と疑ってかかってしまうのだが、こういった記名Blog*1で書かれていれば、ストンと腹に落ちるメッセージとして伝わるのではないだろうか。

本Blogへのアクセスの大半は企業ドメインからなので、そういった大多数の既存読者の方にはネタずれも甚だしくちょっと申し訳ないが、皆さんの会社・組織が的確な人を取れるようにすることは皆さん企業人にとって幸せなことだ、と大目にみてほしい。

*1:一応Blog上では匿名だけどまぁ実名Blogみたいなもんwww

専門分野から上1層・下2層ぐらいに興味を持って、知識を仕入れている人と仕事をしたい

デジタルカメラの商品企画をやっている Aさんがいるとする。彼に期待されている仕事は市場分析をしてマーケティング戦略の策定ならびに商品の方向性を決めること。市場分析の手法や、マーケティングの知識はあるし、商品の方向性を決めるためにデジタルカメラの機能や仕組みなどについては良く知っている。でも、それはその道のプロとして「あたりまえ」のこと。

私が一緒に仕事したいな、と思う人は「もう1〜2レイヤー下まで興味を持って、ある程度の知識を能動的に仕入れてくる人」である。先のAさんを例に取ると、下のレイヤーとして、金型の知識やメカの知識、あるいは組み込みソフトウェアの知識に、興味を持ってほしいのだ。上のレイヤーの知識としては単品カメラの企画ではなく複数のモデルを通したロードマップやサポート費用などを含めた事業計画などの知識。

勿論、企画屋さんに金型やメカのプロになれというわけではない。自分のレイヤーのプロフェッショナルでありつつ、上下レイヤーの興味をきちんと持ち、それなりの知識を得ようと動くことを期待したいのだ。


大手メーカーのよさは、その筋のプロがそこらじゅうにゴロゴロいること。メカ屋しかり、組み込みソフト屋しかり、調達屋しかり、法務しかり、知財しかり。別レイヤーのプロフェッショナルから教えを請うシステムが整備されている会社はあまりないだろうが、大きなプロジェクトになれば顔見知りの別レイヤープロフェッショナルの一人や二人できるはず。

『今夜ちょっと一杯、いきません?』で同じ会社の社員ならではの(機密保持契約に縛られない)濃密な知識を仕入れることができるのは、大企業ならではのメリット。これを活用できていない大企業社員は損をしている、と言ってもよいだろう。


大企業に新卒入社すれば、この恩恵をより強く受けることができるネットワークがある。そう、"同期入社社員"ネットワークだ。まったく縁のない部署の情報を入手することができるこの仕組みは、絶対に遊ばせてはならない。研修終わってから同期とまったく連絡を取っていないなぁという諸氏は今すぐメールしよう。

『ひさしぶりー! 最近どうよ? 一杯いこうぜー』の一言で仕事上の上下関係のない、それでいて社内情報を話し合える間柄で会話ができるメリットは計り知れないのだから。

私もこの方法で、専門外の情報を色々仕入れさせてもらったもの。「最近MRAMの品質変動が大きくてさー。これ採用決めたデジカメプロジェクトは大変なのよ」「そういうときってどうするの?」「こうこうこういう契約条項にしてリスクヘッジしたりするんだよー」「へー」なんて他愛ない会話がかなりの勉強になるわけだ*1


ひとつの商品を作り上げるにあたり、様々な職種の人が連携するのは常識。しかし単一のレイヤーしか見えない、或いは上下のレイヤーについて受動的にしか知識を仕入れていない人と仕事をすると、どうしても職種間で意思疎通がうまくいかなかったり、仲間意識が根付かなかったりとうまく前へ進まないことが多いように思う。そこで上下のレイヤーについて理解しているメンバーがいれば、びっくりするほどスムーズに話が進んだりする。

「MRAMを採用したい。なぜなら、今回のプロジェクトでは○○な理由があるためです。」と言われると(こいつ、わかってねぇくせにえらそーなことを....MRAMの品質変動がどれぐらい面倒なことになるか...(怒))なんてなってしまうところ、

「MRAMの採用が難しいのはわかる。品質変動が大きいと聞いているし。でも、契約条項を工夫してリスクヘッジする手法もあると聞いている。今回のプロジェクトでは○○な理由からどうしてもMRAMを使いたいんだ。デジカメプロジェクトの先行事例を調査して、同じような感じで頼みますよ」とお願いされると、うーん、理解した上でそこまで言うなら契約条項のスクリーニングを始めてやろうかな、とも思うわけだ。


こういう知識の広げ方ができていれば、転職や独立にものすごーーーく役立つので、今の会社に満足していない人でもトライしておいて損はないはずだ。もっとも、聞きかじりの知識をさもわかったかのように使うのはやり方を工夫しないとひどい嫌われ方をするので注意を!

技術者のケースでの具体例

家電の商品企画にとっての1〜2層下のレイヤー

ハードと組み込みソフトのアーキテクチャ、ざっくりとした工数感。ネット家電系の場合ははやりのネットサービスのアーキテクチャATOMRSSXMLFlashAIR、といった基本的なテクノロジの理解と必要なハードウェアスペック、ライセンスフィーあたり。BOMリストにおける主要部品の価格帯とプロセッサロードマップ。

家電の組み込みソフト技術者にとっての1〜2層下のレイヤー

生産技術、金型、デザイン...とか書き出したけど当事者じゃないのであまりでしゃばって書かないことにした。Professionalの方からフォローいただきたい(TBかコメントいただければここに反映します)

Webデザイナにとっての1〜2層下のレイヤー

絵が書けて、CSSがいじれてJSもちょいとできます、というWebデザイナーさん。UI設計論とかユーザーサポートの実情なんかを知っているとよし、かも。こういうUIだと結構問い合わせ多いんでこーしたほうがいいですよー、とか。こちらもProfessionalの方からフォローいただきたい(TBかコメントいただければここに反映します)

以下項目だけ。投稿あったものから反映していきたい。上のレイヤーについても歓迎。

Web系企画屋

taz8さんのコメントより。
本業に加えて...

認知心理学の成果を正しく応用した具体的ユーザーインターフェースデザイン
−最新の脳科学を押さえた広告やPR活動(ニューロマーケティング
グラフィックデザインの基本をみっちり押さえた上での、デザインディレクション
−人間行動の背景を知るためのカルチュラルスタディー(特にサブカルチャーを中心に)
−ユーザーサポート部門のどろどろとした部分の効能を理解した商品ライフサイクル計画

組み込み系プログラマ

hkinamihkinamiさんからのコメントより。

  • ハードウェア関連技術(アーキテクチャ、コスト、最新デバイス動向など)
  • ユーザーインタフェースデザイン(インタラクティブデザイン、グラフィックデザイン、操作性、ユーザー中心設計など)
  • サーバーサイド、クライアントサイド、ネットワーク関連のソフトウェア技術(組み込みにはちょっと遅れて入って来る気が…)
  • カニカル関連技術(ここは、あまりよくわかってませんが、必要そうですね)
  • ユーザーユーズ探索技術(企画、市場調査、経済など)
  • 語学力(メンタルブロックを外すこと)
  • 独自性(日本文化、オタク文化、組み込みソフト以外の得意分野。なんでも)
  • 法務関連の知識 (SWライセンス、ロイヤリティ、NDAなど)
家電系メカ屋

BookmarkCommnetに対して

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/wa-ren/20090201/p2

waverider:
この不快感の原因は、「他人を、己のリソースとしてしか見ていない」ように感じるからだろうか。ブローカーの如く知恵や知識を調達しようとする態度が癇に障るのかもしれない。

うーん、「情報クレクレ君」ぽく見えるエントリーだっただろうか? 実際のところは情報をもらうからには情報を提供しないと人的ネットワークが成立しないと思うのだが。前職のPanasonicでは社員が遵法すべき7精神の1つとして「力闘向上の精神」と掲げられていた。社訓だからというわけではないが、社員同士が力を合わせて知識を共有し、強い組織を作って行くことは個のためでもあり組織のためでもあり、誰も不快感を感じるところはないと思うのだが。

ya--mada:
こうゆうビジネス脳がキモいと思う人間になってしまった。向目的性で知識・人脈を増やそうとすることを軽薄だと思うようになってしまったのはなぜだろう?

んー。やっぱり自己の為という側面を強調しすぎたためか? 自己の知識を増やす目的で人と会って話しをする、という行為が嫌な人はそもそもそういう会合に出てこないだろうし、結果的にそれを目的にした人同士が出会い、交流し、相互に知識を増やしあう、というエコシステムが回るように思うのだが。

でも実際やってみると、そんなドライな関係じゃないですよ? というのが現実直面者からの個人的感想。

※たまに不幸にも何らかの理由で巻き込まれてしまったそうでない人にとっては迷惑・不快、という話なのかも

*1:あくまで例。実際の話ではないので念のため

本Blogアクセス数に見る、ネット家電に関する大手家電メーカーの感度

まったくもって根拠のないソースなのだが、"なかのひと"を使って各メーカーからのアクセス数を集計してみたところ面白い(というか、なるほどなーという)集計結果が得られた。結論を言うと

SONY >>> Panasonic >> SHARP > TOSHIBA

な感じがする。私のBlogへの各社IPからのアクセス数をカウントし、国内拠点の社員数で割ってみた数値を比較して作ったランキングである。全体数で見るとブッ飛んでSONY、PANAが多いのだが、従業員数で見るとSONYの圧倒的勝利。昨年まで私が勤めていたということもあって*1Panasonicが比較的多いかなと思いきや...である。

シャープはそれほどネット接続家電を積極発表していないだけに、びっくりするほど少ないのでは...と思ったら従業員数係数をかけると僅差ではあるが東芝より上位に。



だから何?ていうかお前のBlogへのアクセス数で何でネット家電に関する感度なんてものが語れるんだ? などのご意見多数だとは思うが、ただの酔っ払いによる数値遊びなのでご容赦を。あんまりまじめにやってるわけではないのでw ただ、家電メーカー関係の諸氏から見れば『あー確かにそれっぽい!』というランキングになっているのではないだろうか。特にソニーのブッチギリ具合は納得性がある。

あと、大手家電メーカーに含めるべきか悩んだが、富士通NECからのアクセスも絶対数からしてかなり多く、社員数係数をかければPanasonicより上位にくるあたりが大変面白い。

参考データ(なかのひとjpの表示値/本体従業員数)

ソニー 5569/1.7=3275
日本電気(NEC) 2393/2.2=1087
松下電器産業 4380/4.2=1042
富士通 2494/2.7=923
シャープ 1458/2.2=662
東芝 1975/3.3=598
三洋電機256/1=256
日立製作所76/3.7=20

※本体従業員数の単位は万人。Yahoo!ファイナンスの会社情報を用いた
 http://profile.yahoo.co.jp/fundamental/6753

おまけ

任天堂415/0.14=2964
すげw

追記

どんなサイトでもこんな傾向だよ?という意見が多そうなので、では同じ仕組み(なかのひと)を使ってソースを、とお願いしたい。言うだけなら誰でもできる。

*1:退職時に関係各所に「実はこういうBlog書いてました、エヘ」というメールを送った関係もあって

文字ラベルは重要。Blogの公開は「保存」じゃなくて「公開」とか「投稿」だろJK

あんまり衝動で1行エントリーを書いたりするキャラじゃないのだが、たまには許せ。昨晩書きかけたエントリーがたまたまブラウザのタブに残っていて、あーこれは結構面白いネタだけどまとまりきらないからGoogleDocsにでも保存しておいて後日書きなおそーって思い

『保存』したいから、無意識に『保存する』ボタンを押した。


その瞬間書きかけの恥ずかしいエントリーが公開され、慌てて消去する羽目に。問題のUIは下の画像のとおり。はてなダイアリーの編集・投稿画面だ。言うまでもないが「保存」ボタンを押すと書いたBlogエントリーが公開される仕組みになっている。私がやりたかった『取っておいてあとで内容を精査の上、公開・投稿する』という操作は右側にある「下書き保存」ボタンによって行われる。
hatenaダイアリー編集投稿画面
ボタンについたこういった文字列をラベルと言うのだが、たかがラベル、されどラベルである。WebのUIを作るにあたり、ラベルを考えることは以外に難しい。ITリテラシーの高い人を相手にする用語であれば間違いは少ないが、そうでないユーザーにも理解しやすいよう、一般的な日本語を組み合わせて表記しようとすると、Microsoftの製品ではないが理解不能なラベリングのボタンや機能になってしまうことがままある。

そういう意味ではてな社にはがんばって貰いたいものだが、やっぱり「保存する」ボタンでエントリー公開を意味するのはちょっと違うんじゃないの? と思う次第。あと、公開するにあたってConfirmationが無いってのも問題を助長しているのかも。


私が考える対策は2つ。

  • 「保存」は「この内容で投稿する」
  • JavaScriptダイアログでもいいので『この内容で投稿され、インターネットに公開されます。よろしいですか?』的ダイアログで注意を促す


まぁ後者はウザいという話がなくもないので、設定メニューからOFFにできるなどの配慮があってもいいかもしれないが。


まぁ何だ、言いたかったのは「保存」ボタンで「公開」するってのはラベリングに問題あんじゃね? ということだけww

Pyxisという偉大なファイラ / OSSの魅力

シェアウェアPyxisのソースを公開してください、頼むからお願いします!という話。あと、更新停止されてしまった素晴らしいソフトウェアが死蔵されてしまうことの勿体無さ、OSSってこういうときほんっといいよねぇ、という話。

Pyxisという偉大なWindows用ファイラ

愛用するシェアウェアが更新を停止してはや2年。実際は5年以上停止しているだろうか? Impressさんのデスクトップ100景というインタビューを受けて、愛用のファイラはPaper Plane UIだと書いた。残念ながらこれは正確ではないかもしれない。今この原稿を書いているノートPCで使っているファイラはPyxisだ。かれこれ10年以上は使い続けているだろうか。

Pyxisは97年頃に個人(TOM氏)が作ったシェアウェア。800円というリーズナブルな値段にもかかわらず、自分の中ではこれを越えるWindows用ファイラが未だにない。2chのファイラスレでもめったに話題に上がらないが、名作中の名作であると声を大にして言いたい。

しかし、残念なことに2002年頃から更新が停止、NTFS BigDriveで1ディレクトリあたりのファイル数が多くなると動作がおかしくなるという問題点が残ったままとなり、実用に耐えなくなってしまった。そして、一部機能においてPyxisほどの使い勝手はないものの、安定動作する比較的近い操作感のファイラという理由で仕方なく、PaperPlaneUIに乗り換えた、というわけだ。

もしもPyxisオープンソースなら...

シェアウェアとして公開していたものを、オープンソースにしますというのはそう簡単にできることではないのかもしれない。しかし、更新を停止してもう7年も経つ。おそらく作者のTOMさんも、これ以上Pyxisから利益を得ようという感覚はないのだろう。

であれば、であるからこそ、オープンソースファイラーとしてPyxisに第2の人生を歩ませてあげることはできないものだろうか。Pyxisの熱狂的なファンの中にプログラマーがどれぐらいいるかはわからない。オープンソースにしたところで誰も手をつけない(つけられない)可能性もある。それでも期待してしまう何かがPyxisにはある。


まぁTOMさんが表に出ていらっしゃらない今、オープンソースにしたところで誰がモデレートするわけでもなく、元の木阿弥という可能性がなくはないのだが、作者さんの事情により愛用ツールが使用不能になってしまうというケースがOSSの普及で少しでも減ることは確実であり、特に技術者ではないがそういった流れが加速してほしいと切に願う次第である。

キャズムを超えろ!的 魅力的なファイラの条件

Pyxisの素晴らしい点を以下に列挙しておこう。世の中にあまたあるファイラのなかで、これらの要素を"すべて"備えている\1000以下で軽量なファイラがあったら教えて欲しい。3年ほど探しあぐねて結局みつからなかった。

  • 1Window動作が基本であること
  • 消費メモリが10M以下(5M以下が理想)
  • PentiumM 1Ghz程度のマシンでも2秒以内に起動
    • 上記PCにて2000個程度ファイルがあるディレクトリに移っても2秒以内で描画(c:\windows\system32等)
  • ジャンプディレクトリ機能がある
  • ランチャ機能があり、ランチャ起動プログラムに「カーソル位置フルパス名」または「マーク済みフルパス名リスト」を引き渡せること。
  • コピー/ムーブ時に「マーク」「コピー機能呼び出し」後にコピー先を選択することを前提としたUIであること
    • 2画面ファイラのようにコピー前に対象を選ぶようなものはNG
  • コピー/ムーブ時に1キーでコピー先ディレクトリを選択する画面となる(デフォルトではShift-Cの機能)
    • コピー先選択画面においてジャンプディレクトリ機能を使用することができる
    • コピー先選択画面はツリーではなく通常のファイラ画面と同等の画面とする
    • コピー先選択画面はカレントディレクトリから開始される(これができないファイラが多すぎ)
  • 拡張子対応起動プログラムを3つ割り当てられる
    • AVIだとENTERでGOM Player、Ctrl+ENTERでWindows Media Player、Vで真空波動拳など
    • かつ、それらが1キーで呼び出せる(関連プログラム一覧を出して起動プログラムを選ぶ、とかはNG)
  • ワンキーでディレクトリ全体及び選択中ファイルの容量・クラスタ使用量・個数などを表示できる
  • ワンキーで子ディレクトリを含むディレクトリ内検索ができる
    • 検索結果画面からプログラム連動機能(上記3種類の使い分け)が可能であること
    • 検索結果画面でコピー・ムーブ・リネームが可能で、かつ前述のジャンプディレクトリ機能が使えること
  • LZH,ZIP,RAR,CAB,gzipの書庫直視が可能
    • 直視中画面にて先のプログラム連動機能,ジャンプディレクトリが機能する
  • 1キーでフルパス名つきファイル名をクリップボードにコピーする機能がある
  • 基本画面においてカレントドライブ全容量と現使用容量がパーセンテージでグラフィカル表示され、かつ数値でも表示される
    • 特定キーストロークで表示される、というのはNG。常時監視したい
  • ツリー表示なんて不要なものは消して画面を広く使える


※これらの機能を全て備えた良いファイラがあればシェアでもなんでも金払うので教えてほしい

特に最初のcopy/move時の対象ディレクトリ選択機能と、ジャンプディレクトリ&ランチャ機能の組み合わせが良くできていて、これを超えるものが未だに見つからない。

思考の流れとして、aaa.txt をコピーしようとしてから、ディレクトリを作るはず、普通。先にディレクトリを作ってから何コピーしようか、ってパターンは少ない。Pyxisだとc:\tmp\aaa.txtにカーソルあわせてShift+Cすると、下記画面が出る。そこで↓押してENTER押してc:\tmp\1\に入って、K押して[c:\tmp\1\2]を作って、さらに↓押してENTER押して、そこで Shift+ENTERで確定したらaaa.txtが見事c:\tmp\1\2にコピーされる。この使い勝手を今一度我が手に与え賜わん。

AMEN


文字で書いてもわかりにくいので幾つかPyxisのベンリさをあらわす動画を幾つかUPしてみた。

動画)ファイルコピー編
動画)拡張子連動起動&ランチャ機能編

3年でやめたら貴方に何が残るかを入社前にイメージできる会社は優秀な社員を採用できる!?

個人に潰しの効くスキルを残せる会社とは

http://d.hatena.ne.jp/skerenmi/20080528/1211984656
http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html

このへんを読んでひとこと。昔と変わったなぁと思うのは「この会社にいっておけば、いつやめても自分の損にはならない」と新卒(新入)社員に思わせることが大事なんだと思う。研修コストとかあるから2年とかでやめてもらっちゃこまるんだよ!という話は会社側の理屈であって、学生さん(社員)の視点でものをみるべき。

"10年泥"発言ばかりが取りあげられているが、今の学生さん達はがんばって働くことが嫌なんではなくて、「そこで働く時間」が「例え2年でやめたとしても」自分のためになると思えるかどうかが重要なんだろう。終身雇用制は崩壊し、それなりに大きな会社であっても10年後にどうなっているかなんて誰もわからないし、皆そこまで会社を信用していない。

会社は残っていたとしても、ほかにやりたいことがみつかるかもしれない。もっと面白い業界が見つかるかもしれない。

あなたが選んだ会社で「10年泥のように働いている」間に、潰しの効くスキルセットがあなたに残るだろうか? 先に述べたような会社を取り巻く状況のなかで、これが残らないような会社での仕事は御免被りたいというわけではなかろうか。

繰り返すが、10年泥のように働き終えるまで、自分のスキルセットや専門性が明確に見えないような会社には行きたくない、と。今、私が新入社員として企業を選ぶなら、同じ考えをするだろう。


とはいえ、お茶汲みや伝票書きの仕事ならいざ知らず、頭脳職に従事していれば実際には1年でも何らかのスキルセットが残ることは確実。重要なのはそのスキルがあなたが今後転職や独立の際にも武器になるモノであることと、確実に習得できそうであることを会社が学生さんにイメージさせる(思い込ませる)ことができるかどうかだろう。


そういう意味で、先の記事にでてきたSIerの皆さんは「思い込ませる」のが下手だなぁ、と思う。正直でよろしい、というのが現実なのかもしれないが(ぉ

個人力を高めるために会社を利用

個人の力を高める、そのために会社というフィールドを利用する、という考え方になってきているのだろうなと思う。そして優秀な学生さんを採用するには、個人力を如何に高められる会社ですよ、という点をアピールできるかどうかにかかってくる。

重要なのは会社がその人に何を与えられるか、だ。自分が代表を務める会社にあてはめてみると「新気鋭のネット家電を開発している」会社で「組み込みソフトはほぼ自社開発」をしているので、学生さんに対し「組み込み系ソフト開発の知識がめちゃくちゃつきます」「しかもプラットフォームがLinux系なのでこれからが主流。潰しが利く」という個人力向上提案ができることになる。これが「ばね秤をB2B向けに作っていて」「開発は全部下請けに投げている」「プラットフォームは15年前のもの」なんて会社では、個人力向上提案がしにくいはず((あんまりいい例えじゃないね(笑)))。SIer業界はこれに近い状況になっているんではないだろうか。



とまぁほとんど推測の域を出ない話だが、今後企業が学生さんに「こういうことが習得できて、あなたの成長に貢献します。だからうちに来てね」というオファーをする、という就職活動戦線になる可能性は低くないだろう。

そして学生さん側も賢くなって、大手企業に行くなら大手ならではのノウハウを習得できる部署に行きたい、という傾向が強くなってくるかもしれない。家電や自動車の大手メーカーであればマーケティング部門や資材購買部門などがそれにあたるだろう。そしてそれ以外の部署にはいい人材が集まらなくなり、アウトソースしたほうがコスト効率がよい、という結果になってしまうかも。どきどき



・・・でも雇用流動性の高いアメリカではすでにこういう状況になっているんじゃぁないんだろうか。だから優秀な学生さんは短期間で自分を鍛えることができるベンチャーに流れる、とか? 北米事情に詳しい方誰か教えてください。

家電業界はもっと商品責任者を前面に押し出したマーケティングをしてもいいのではないか

サマリ

「家電関係で仕事をしていて知らないと恥ずかしい日本人100...が浮かばないのはなぜか」というエントリーにする予定だったのだが、まぁあんまりネタに便乗してもね、ということでタイトル変更。家電業界ではWebやゲームと違って個人名が上がりにくい。やっぱり大企業が作っているから? それとも趣味性が低い商品だから? うーん、もっと出したほうがいいんじゃね? という内容。

車と家電の違い

趣味性が低い商品だから、という切り口は面白いかもしれない。車は家電以上に大企業"しか"作らない商品だが、ロードスターの平井さん、貴島さん・スカイラインの桜井さん。・NSX,S2000の上原さんなど、利用者ですら知っている"有名人"が結構いる。当然だがこのクラスの人たちになるとワールドワイドで有名人だ。スポーツカーなどは趣味性が非常に高いので、購入者が商品に対すして愛着を持つ傾向が高いはずだ。そういう愛着を持って接する商品だからこそ、開発総責任者を前面に押し出して「おもてなし」する。この人ならまたやってくれそうな気がする感とでも言おうか、それを煽ることで次期モデル含めたマーケティング支援をするのである。NC型ロードスター*1が出ると聞いたとき、正直不安だった。だが、その不安は『貴島主査がNCも担当しているらしい』という雑誌のニュースをみて吹き飛んだことを覚えている。『ああ、それならNA,NBと受け継がれてきた人馬一体感が殺がれることはほとんどないだろう』と。

どうして家電業界は個人を前面に出さないのか

だが、家電業界となると途端に個人が目立たなくなる*2。単価が低く、趣味性というよりは実用性一辺倒の商品がほとんどの為、責任者を前面に押し出す必要性に欠ける。さらに、モデルチェンジ速度が速いことが商品への思い入れを下げる原因になっている。だから、個人を前面に出す必要性が感じられないのです、なんてことをメーカーの人たちは言うだろう。とはいえ実際のところは"誰もメスを入れない家電業界の風習"みたいなものではないだろうか。Steve Jobsになれるかどうかはさておき、家電業界でも車業界にならって「この人がこの製品のトップだ」という人をメディアの前面にばんばん出してく、という戦略を今の今から考える、というのはありかもしれない。

昔とちがってBlogなどWebメディアもあるので実現のための金的・人的コストともにローコストになってきている。実際、BRAVIAの総責任者が発売後に開発秘話をBlogでつづる、なんてのはマーケティング的に結構イケるはず。だが現実は、なぜかBlogなりインタビューなりに「担当者A」が出てきてしまう。これでは不十分であることが、どうしてわからないのか。

尊敬する初代ユーノス・ロードスター開発主査*3が講演会で仰られた、心に残る言葉が1つある。

モノ作りに"民主的な開発"は不要!
衆知を集めたキレイ事ではスポーツカーはできない

いやまったくそのとおり。だからこそ、キレイごとじゃない部分(尖らせた部分)の取捨選択をした"リーダー"が"どんな人なのか"を発信することで、製品のブランドイメージを理解してもらってファンになってもらう。あわよくば次の製品のファンにもなってほしいと願いながら。そういう意味では企業規模は小さいが、任天堂の岩田社長が自社Webページでやっている開発者インタビューなどはうまくできているな、と思う。リーダー(岩田さん)も出しつつ、現場の人も出し、「岩田・宮本と愉快な仲間たち」による製品はこんなコンセプトで作ってるんですよ、というのがエンドユーザーの腹にしっかり落ちる。そしてまた「岩田・宮本と愉快な仲間たち」による製品が欲しくなるというエコシステムが実にうまく回っているように見えるからだ。

良い例外としての東芝 片岡さん

ちなみに名前が売れてる家電メーカーの商品責任者としては、東芝でDVDレコーダー商品企画を担当していた片岡秀夫さんが有名だ。実際の責任範囲がマツダの主査・ホンダのLPLに相当するものかどうかはエンドユーザーからは判断がつかないが、雑誌やWebのインタビューをエンドユーザーが見る限り『東芝 DVDレコーダーは片岡さんがまとめてる』という風に取れるようにブランディングされている。これは素晴らしいことだと思う。一部の「わかってる」人たちの間では「あの片岡さんがまたすごいものを出してくれた」「あの片岡さんだからすごいにちがいない」といった個人崇拝&勝手な想像で商品ブランドを補足する、という効果が実際に出ていたように感じる。まぁニッチなマニアックユーザー向けマーケットを掘るために効果的な手法だったから、というベタな落ちもあるんだろうけれども、それでも各社横並びでどこも開発者個人の顔が見えない中、これだけのことができたのはすごいことだと思う。片岡さんの発案なのか、マーケティング部隊の誰かによる発案なのかはわからないけれども。

おわりに

私もがんばって「キャズム超えの和蓮和尚が作る商品ならきっとすごいだろう」と思ってもらえるよう商品作りをがんばるとともに、個人を前面に出すマーケティングをがんばりたいなぁと思う次第。


※このエントリを書くにあたり、NSX LPL 上原繁さんのプロフィールを調べなおした中で、本田技術研究所を昨年9月にご退職されたことを知りました。ご卒業おめでとうございます。あなたの作る新しい車を見れなくなってしまったことは残念でなりませんが、第二の人生でまた人を感動させる何かを生み出してくださることを期待いたします。

*1:ロードスターは3世代発売されており、初代がNA型、次がNB型、そして現行型であるNC型、となる

*2:ソニーの森田さん井深出さん、SCEのクタラキさん、パナソニック松下幸之助といった大手メーカー幹部は置いといて

*3:マツダにおける開発主査とは、当該車種の全責任を負うプロジェクトマネージャーのこと