モテる合コン王子は就職活動でコミュニケーション能力ありと判断されるか?


本BlogはRSSリーダーとかでサイト全体の更新情報取得していただいている常連さんのことを考え、ネットベースでB2Cビジネスやる場合のあれこれ(コミュニティ論も含む)と、家電メーカの内情バラシ(ぉ あたりに敢えてトピックを絞ってきた。が、id:ututuさんの就職活動関係のエントリを読んで「ん?なんか感じ方が違うぞ?」と思ったのでちょっとだけ書き綴ってみようと思う。考えようによってはビジネス論だし、家電メーカの内情バラシに近いところもあるわけだしと自分を納得させつつ。

ビジネスに必要なコミュニケーション能力が、サークルや合コンで発揮されるそれと全く同じものとはどうしても思えません。内向的な人が一生懸命に行うコミュニケーションは時に誠実で真面目な印象を与え、ビジネスの場でも十分通用するように思えるのですが。
http://d.hatena.ne.jp/utsutsu/20060420/p1

そうだそうだ!企業人事は何を見てるんだこのバブルヘッドが! と叩くほうが受けはいいんだろうけれども、私の意見は違う。基本的に大企業における仕事はチームプレイだ。たとえ研究職(○○研、みたいな部署)であっても、大学の研究室のような個人プレイは稀である。そして、大学の研究室とは違ってさまざまな考え方や身の上をもった、年齢層も異なる人たちとともにコミュニケーションをとりながら仕事を進めていかなくてはならない。

その1stステップが、人事担当者との面接ということになろう。合コン王子*1の私に言わせれば、面接と合コンは非常に近いものがある。また、サークル/クラブ活動は実際の業務推進に非常に近いと感じる。前者は「与えられた時間内に、服装・発言内容など使えるものは何でも使って(場合によってはハッタリもかましつつ)いかに自らを良く見せて相手の好印象をGETするか」という共通目標がある為だ。後者については、同様に「組織の雰囲気を壊さず(敵を作らず!?)に自らの想い(やりたいこと)を組織貢献という形にうまく変換し、その結果をもって味方を増やし、組織内における自らの評価を高める」という共通目標が見出せる。

好きでない方にはわからないかもしれないが、合コンでは2時間という制約条件のなか、驚愕に値するほどに効果的な自己アピール手法が駆使され、想像もつかないほどに戦略的な状況判断が行われている。これがビジネスに生きないであろうか? 私はこれでもかというほどに、合コンテクニックをビジネスに活用させていただいている。勿論相手は禿げかかった管理職のおじ様達だが、おおむね印象は良好のようだ。サークル活動の話については自己の反省も含めて書いてみた。なぜかというと、大学時代に部長の伝統重視方針を否定しまくってぶつかり、独自路線(IT技術と知識による伝統破壊)を突っ走った結果権力でボコボコにされ、部長を罵り倒して退部届けを叩きつけた過去がある*2からだ。結果、会社に入ってすぐ、まったく同じパターンで保守的上司と火花を散らすことになってしまった。幸い大変頭の良い方であったことが幸いし、私が情報量と知識量で挑みかけたところ、定量的に判断できる内容については上司権限で不条理な否定をなさるようなことはなくなったので事無きを得たのだが。相手が悪ければ今頃私は左遷されてしまっていたかもしれない...。

そういえばエントリーシートに『クラブ活動においては伝統にしがみ付いた保守的な運営方法に疑問を感じ、入部直後より幹部に対し積極的に意見を提言。自らの持つIT技術とコミュニケーション力を駆使し、活動効率ばかりでなく成果物の品質向上に貢献した』とか書いたような...。う、うう、うそじゃないよ、提言はしたしちょーーーーっとだけは変えたよ、その後速攻ツブされたけど(ぉ

まぁそういうわけで、合コン能力とサークル活動(において効率的に立ち回る術)は会社に入ってからもとーっても重要ですよというのが一つ目の意見。

2ch就職板でなかなか内定が取れずに悩んでいる人たちに共通した特徴を挙げてみます。

・内気、内向的、おとなしい
・バイト、サークル、ゼミ活動経験が少ない、所属していない
非モテ(彼女/彼氏なし)
・自分に自信がない、鬱気味

彼(女)らは自分のこういった性質に対して、「だから自分はコミュニケーション能力がないんだ」と嘆き、さらに自信喪失していきます。自己PRをせねばならない就活にとって、自信を失うことは非常に重い足枷になります。ますます就職活動が上手くいかなくなることだってざらでしょう。

ここで、もう1度声を大にして言います。「コミュニケーション能力」って企業が選考の理由付けに捏造した、架空の産物じゃね?むしろそれって、「フツーに要領よく生きていく力」とでも言い換えたほうがいいんじゃね?

で、もうひとつ。一時期Blogosphereで話題になっていたが「非モテ」というか「女と深く付き合ったうえで別れたことがないやつ」はコミュニケーション能力が低い可能性が高いと思うわけだ。

細かいところはその手のBlogに譲るとして、会社に入る前に「ストイックな意見衝突」ができる機会はそうそうない。友人との意見衝突においてこれを経験できる人も勿論いるが、友人関係においては「望まなければ回避可能」であると考える。だが、恋人関係となるとそうはいかない。相手が不快になる、それも「縁を切る」判断をされかねないほどの極度に不快になりかねない状況を体感し、乗り越える。あるいは失敗して破綻する。それらを経験したことがあるかないかで、コミュニケーション能力値は大きく変わってくると思うのだ。失敗だけでも勿論OK。失敗は成功の糧とはよく言ったものである。

仕事のフィールドにおいて、自社のことを考えるとこうしたいが、取引先にとってはマズイ話なぞいくらでもある。共同作業中に発生した特許性のあるアイディアの権利処理、特定技術のエクスクルーシブな契約、技術的な面でいえば実装時のAPI設計における拡張性とメンテナンス性のトレードオフなどなど。そんなとき、月収5万円の身で『誕生日にビトンのバッグがほしい』と言われた経験や、まだまだ遊びたいのに『結婚を前提に付き合ってほしいから両親に挨拶して』と言われた経験が訳に立たないわけがあるまい。そこには折衷案をひねり出す機転、何としてでも決断を延ばすテクなどが凝縮されているのである。これらは仲良しオトモダチとだけつるんでいた非モテな人々にとってはなかなか就職前に経験できないであろう、と思うわけである。バイトの経験もない、内向的(友人とぶつかることも少ない or 友人そのものが少ない((友人が少ない=その友人を失うまいとぶつかることを本能的に避けるのでは?という推測を含んでいる)))となれば尚更のことである。


だから彼女を作れとか、合コンをしろ、サークルに入れなんて言うつもりはまったくないので、誤解なきように。あくまで、基準となる学力を満たした上で、これらをうまくこなす人をコミュニケーション能力高しと判断して採用に至る事は至極当然であろうと思う迄である。

以上

*1:合コン王子 Copyright (C) 2004 「ちょーちょーちょーいい感じ」保田さん All rights Reserved(USO800) 

*2:問題の部長が退部後、いいかげんIT技術を取り入れようという動きが出た際、当時の同期部員がすでに退部した私のところへHELPを願い出てくれた、という個人的に心温まるエピソードもあるのだが(笑