スピーカー,ヘッドフォンのエージング方法とその効果(iPod用スピーカー iTowerのその後)

以前、おねだりBOYSのプレゼントで当選したiPod用スピーカー iTowerのレビューを書いたのだが(こちら参照)、エージングが効いてきたのかバランスの良い音質となった。

商品を頂いてから4ヶ月。実際の使用時間は100時間程度だろうか。オーディオマニアな人に言わせると"短すぎる"期間であり、まだまだ音が変化する過程にある....なんて言われそうだが、取り急ぎご報告迄。

オーディオ好きの間では常識だが、スピーカーやヘッドフォンといった振動によって音を出す製品は、エージングによって音がみるみる変わっていく。振動させられる部品(スピーカーコーン、スピーカーエッジなど)を一定量振動させることによって馴染ませる、いわば車の慣らし運転のようなものである。やり方は簡単で、普段聞いている曲を2〜30時間ほどひたすら鳴らし続ければOK。ただ、今回テストに使ったiTowerはウーファの動きが渋い感じだったので、低音域をブーストさせ(リモコンでBASS音量を上げればOK)た状態でた状態で実施した。家人の視線が痛い時は、布団などをかぶせて行うといい。注意したいのは、大音量で鳴らしまくること。音量は普段聞いている程度で十分だ。重要なのは実施時間である。短時間で完了させてしまいたい方には、エージング専用に低音〜高音までバランスよくミックスされた専用CDなども市販されている。こだわり派の方や、長時間音を出すのが難しい環境の方はこんなものも試してみては如何だろう。

※振動部品以外(CDプレイヤーや接続ケーブル等)のエージングについても語られることが多いが、迷信に近い。

←スピーカーやヘッドフォンのエージング専用CD(楽天)

Bloggerに商品を渡してレビューさせたりするケースが増えてきた昨今、スピーカーやヘッドフォンのキャンペーンを行う際には、メーカー側で事前にエージングをかけた商品を用意しておくなどの手法が必要かもしれない。そんな音のわかるレビュアーが何人いるのか、という意見もあるやもしれないが、金をかけてマーケティングするならば少しでも高い効果を狙うことが重要である。ましてやスピーカーやヘッドフォンにとって音質は最重要ポイントの一つなのだから。受け取るほうのBloggerや雑誌編集者も、ヘッドフォンであれば数日鳴らしっぱなしにしてエージングさせてのレビューも可能だろう。だがスピーカーとなると、家人の目などもあってなかなかそうはいかない。そういう意味でも、プロモーション会社,あるいはメーカーの側である程度エージングをかけていただいたほうが、書くほうも書かれるほうもいい結果が得られるのではないだろうか。

というわけで、iTowerの音質は、エージング後はなかなかどうして良いものになったという個人的結論を出しておきたい。また、設置場所を広いリビング(20畳)に移すことで、高音の煩さが緩和され、より聞きやすくなったことも記しておきたい。もともとが北米向けの製品のためか、広い場所に設置して利用することを前提にした設計なのかもしれない。見た目はコンパクトだがウーファユニットを内蔵しており、スピーカーと人との距離が離れていてもきっちりと低音を響かせてくれる点も、リビング設置に向いている要素のひとつだ。

ちなみに自宅ではこんな感じでリビングの風景に溶け込んでいる。
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